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【フセボ先生のハワイ小噺】ロケラニとマウイ

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ロゼラニ(ハワイ語でロケラニ)はバラの一種で、花の中で高貴なイメージを持っています。
たとえば東大教授の大場英章氏は「薔薇と関わった歴史的な貴顕の人たちの中でナポレオン妃ジョセフィ-ヌの果たした役割は画期的である。彼女は熱狂的に薔薇を集め、園芸家を動員し、薔薇の改良を大々的に進めた」(参考:『植物の楽しみ』八坂書房)と書いています。

19世紀の初め頃にスペインの船乗りによってアメリカのニュー・イングランド州に紹介されたこの「高貴なイメージを漂わせたバラ」は、その後ハワイへ運ばれました。当時、大多数の外来船がマウイ島のラハイナに寄港し、そこに住みついた外国人の多くが庭にこの花を植えました。

最初はダマスクという品種が一般的でしたが、このバラは病気にかかりやすく、次第に少なくなってしまいました。代わりにルイ・フィリップという品種が流行るようになりました。ダマスクほど強い香りは漂わせませんが、きれいなピンク色の花が咲きます。葉は丸く、トゲの多いバラです。今は普通の小さな赤いバラのほうが流行っていると聞いています。

ハワイでそれぞれの島を代表する花を選ばなければならない時、マウイの島人たちはじっくり考える必要はなく、すぐに「天のバラ」を意味するロケラニに決めました。

ロケラニが初めて登場する歌は「Ku’u Home ‘O Maui Nō Ka ‘Oi(私のマウイ島の住まいは最高)」だといわれています。作詞家や作曲家は不明です。「ああ、愛、美しいロゼラニ、素晴らしいハレアカラー、私のマウイ島の住まいは最高」と表現する短い単純な歌詞です。
この歌には比喩的な言葉(kaona)はなく、1870~80年代に「マウイ島の素晴らしさを自慢する歌」といった傾向の作品だそうです。

マウイ島のモットーは「Maui Nō Ē Ka ‘Oi(マウイ島は最高)」。作曲家であるジョン・P・ワトキンスは、マウイ島は最高の島で、そしてハーナ地方が島で最も素晴らしい場所だと強調しています。曲名は「Hāna Nō Ē Ka ‘Oi(ハーナが最高)」。2節目にも4節目でもバラの香りが賞賛されています。

「Hāna Chant(ハーナ・チャント)」という歌は作詞家ランディ・ナムと作曲家ケネス・マクアカーネの、ハーナに対する誇りが表現されており、バラのレイの「圧倒的な強い香り」を歌っています。

いうまでもなく、マウイ島を代表する多くの歌の曲目にロケラニやロゼラニが登場します。作曲家W. J. Coelhoの「Roselani」や作曲家チャ-ルス・E・キングの「Pua Roselani」はバラの香りの賛歌です。

「Lei Lokelani」はマウイ島の素晴らしさを讃え、他の島を代表する花とは比べものにならないと歌っています。

また、ロケラニには裏の意味(kaona)があることを忘れてはいけません。たとえばジョン・K・アルマイダ作の「Roselani Blossom(ロゼラニの花)」は、愛しい人を歌っています。作曲家はきっとこの歌を高貴な女性に捧げたのだと思います。

皆さんはどんな花にたとえられたいでしょうか?