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【フセボ先生のハワイ小噺】キーラウエア火山と歌

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ペレへの捧げもののレイや花々(Shutterstockより)

キーラウエア(Kilauea)火山で溶岩を吐き出しているのは、火山の女神ペレといわれています。フラダンサーを含む多くの人が、ペレへの捧げものをキーラウエア火山の火口に投げ入れます。火口の名前は“シダの家”を意味するハレマウマウ(Halema’uma’u)です。

伝説によりますと、ペレが豚の化身である半神カマプアア(Kamapua’a)と戦った時、後者はペレが吐き出していた煙を止めるためにシダで火口を覆いました。このためペレは窒息するところでしたが、他の神々が戦いを中断しました。負けたカマプアアは海に飛び込み、ハワイ州の州魚クムクムヌクヌクアプアアに変身したという説があります。火口の壁はシダでできている小さな小屋の壁にちなんで名前が付けられたという説もあります

M.LamとB.A. Lincolnによる「Halema’uma’u」という名曲があります。歌詞では「ハレマウマウの美しさは知られている。ペレは偉大な酋長で、旅人の目は優しい」とうたわれています。「目は優しい」は皆が光景に魅せられていることを意味します。

ハレマウマウ火口(写真提供:ハワイ州観光局)

溶岩はハレマウマウからは吐き出されませんが、今年2018年5月、溶岩が火口の中へ流れたと聞きました。今までは山の東側にあるPu’u ‘Ō’ōと呼ばれているところから流れていましたが、今は他のところでも噴火しています。プウ・オーオーという地名は、Kainani Kahaunaeleの曲「Ka Hīnano O Puna(プナ地方のヒーナノ)」に登場します。ヒーナノはタコノキ(英語でpandanus)のオスの花で、歌詞によりますと「ヒーナノの花は愛を起こし、心を乱す」。この花から媚薬が造られます。さらに「ペレの火でプナは燃える。プウ・オーオーで溶岩の流れ出す場所は鋭い音がする。湧き出る炎が上に登る」とうたわれます。観光客はその光景をヘリコプターから眺めることができます。

キーラウエア火山に引き寄せられる観光客は毎年250万を超えているそうです。カラーカウア王に捧げられた曲「Kalākaua」は、王を太陽に照らされても決して枯れない花にたとえています。その歌にキーラウエア山にある「泣いている僧侶」を意味するウヴェ・カフナ(Uwē-kahuna)崖が登場します。その崖はこの歌では「カアウエア(Ka’auea)の神聖な崖」と呼ばれています。カアウはその僧侶の名前です。彼の酋長カハーワリがソリに乗って山を下りる時、燃える溶岩に乗ったペレが追かけてくるのを見たので、一生懸命滑って海に飛び込み、兄のカヌーに乗ってマウイ島へ逃げたといわれています。

カラーカウア王もいくつかの歌を作曲しました。その中に「Kīlauea」があります。しかし、これは火山ではなく、キーラウエア号を讃える歌です。それは1860年から1877年まで島々を巡っていた蒸気船でした。歌詞にhuila(プロペラ)やwili(ねじ)等というような言葉が出てくることから、裏の意味、つまり情事の話が隠されていると言う説もあります。そのために王はFiggsというペンネ-ムでこの歌を世に出したと思われます。