コラムコラム

【フセボ先生のハワイ小噺】カタツムリの鳴き声とは?

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ハワイ語の歌の意味を調べていると驚くことがあります。
たとえば「カタツムリの鳴き声」。ほかにも爬虫類や虫に関する表現が多く出てきます。
「ピアノ・アヒアヒ(Piano Ahiahi=黄昏のピアノ)」という、はじめてビアノの音色を聴いた人の歌にはこんな歌詞があります。
「どこにいるの、黄昏のビアノ。夜の遅い時間に体験した(聴いた)音は、カタツムリの鳴き声のように夜明けの優しい響き」。ここではビアノがカタツムリの鳴き声にたとえられているのです。

 


また、夫をミツスイ鳥にたとえた「イイヴィ・アオ・ヒロ(‘I’iwi a’o Hilo=ヒロのミツスイ鳥)」という曲にも、「ミツスイ鳥は木の高いところにとまる。葉の間に休んで。カタツムリの鳴き声が答える」という歌詞が登場します。木に登るカーフリと陸にいるプープー・カニオ工は伝説のカタツムリで、夕方に鳴くといわれていました。

ハワイ人はなぜカタツムリが鳴くと思ったのでしょうか。鳴いていたのはそばにいた別の虫だったとか、耳の優れたハワイ人だけに聞こえるとか、諸説あります。ちなみにカメハメハ3世の住まいも「カタツムリが鳴く」という意味のカニアケプープーという名前です。

ほかにも虫が登場する歌も紹介しましよう。「マウナロア(Maunaloa)」という曲にはゴキプリが登場します。これは浮気の歌で、浮気相手の愛の価値はゴキプリにかじられた汚いハンカチを表しているといわれます。
映画「リロ&スティッチ」のテーマ・ソングの作者として広く知られているマーク・ケアリイ・ホオマルは夜の友の歌を書きました。その友というのはコオロギのことです。とても楽しい歌ですが、「イヒヒ、ヒニヒニとコオロギが鳴いている」「ピとパと鳴いている、夜の友、見ることはない」という歌詞が面白いですね。
私が最も気に入っているのは、ケアリイ・レイシェルと仲間たちが楽しげに歌う「ネマトダ(Nematoda)」と呼ばれるモヤシに似た寄生虫の歌です。意味がわからなければハワイのパイナップル畑に大きな害を与えた寄生を歌っているとはとても思えません。

この寄生虫についてもっと知りたいという方は、目黒にある寄生博物館に行けはわかるかもしれません。もっとも、デートの場所としては相応しくないかも知れませんが……。

※『素敵なフラスタイル No.51』より転載
画像(上):Photo ACより
画像(下):Shutterstockより