コラムコラム

【夏企画】ハワイのこわい話

このエントリーをはてなブックマークに追加

“ドライブに出かけた家族がトンネルの中で幽霊を見た。その幽霊を見た者は皆すぐ死ぬと思われている。トンネルを出た直後家族は交通事故に会い、全員即死してしまった。”

この話がでたらめだとすぐ分かりましたか。そうです。全員死亡なら幽霊を見たかどうか誰にも分からないからです。

ハワイには見てはいけない幽霊がいて、“Night Marchers(ナイト・マーチャーズ)”と呼ばれています。耳なし芳一を殺そうとした平家の怨霊を連想させる幽霊で、Nu‘uanu Pali(ヌウアヌ崖)でカメハメハ一世の軍隊に殺された怨霊だと思われています。

それらが自分の家のそばにいると分かったら表と裏のドアを開けます。そうすると幽霊たちは家の中を通り消えます。出合ったら、隠れること。そうしないと、殺されるかも知れません。KohalaのCDにNight Marchersという曲があり、怖いハワイ映画の主人公になっています。

歌やチャントは怖い女神が登場します。ペレです。“石を食う女”や“木を食う女”と呼ばれていて、吐き出す溶岩で村まで全滅させることがあります。嫉妬深い女で、怒ると平気で人間を殺します。老婆に変身したペレを見たと証言する多くの人の中に著名な学者や知識人もいます。有名なペレの絵を描いた画家で作家のハーブ・カーネもその中の一人です。私事ですが、ペレを歌っている多くの曲の中でアンテイ・マイキが歌っているE Pele,E Pele,E Pele Ē(ペレよ)は特に不気味な雰囲気を漂わせています。

Luakini Heiau

戦争の神Kūに“人間のいけにえを供える神殿(Luakini Heiau)”がありました。ナ・ホク・ハノハノ賞の受賞者ブライアン・ケスラーは作曲もするギタリストでもあるのですが、作品の中に“Heiau(神殿)”があります。歌詞には“背に寒気が走る”とありますが、彼は神聖な気持ちにさせられたそうです。

モロカイ島は魔術で有名です。“モロカイ島の祈りはとても効果がある”という諺があります。この島を讃える歌に、ラニカーウラという名のカフナ(僧侶/預言者/魔術師)と彼が埋葬されたククイの林がよく登場します。(Kaulana Wale Nō ‘O Moloka‘i, Ua Nani Moloka‘i, Kaulana Moloka‘i, Moloka‘i Hula, Nā Lei O Hawai‘iなど。)

ラニカーウラは彼の排泄物を手に入れたライバルの預言者に殺されました。最近、彼が埋葬された場所についていろいろ書かれています。埋葬地の所有者は周りの土地を一人のスイカ栽培農夫に貸しました。その農夫が林の木を切り倒した時、所有者は心臓発作を起し、それ以後体が(今も?)麻痺しました。スイカの栽培は上手く行かず、農夫は貧しいまま亡くなってしまいました。林の木を切り倒した他の数人の体に発疹が出たり、ブルドーザーが転倒したり、嫌なことが続いたそうです。ラニカーウラの怨霊は鎮魂されていないのかもしれません。

ジョン・カイミカウアが作曲した“Kahuna ‘anā‘anā(魔術)”は排泄物を盗まれた時に呪われないためにどうすればいいかを歌っています。

イメージ画像=ShutterStock