コラムコラム

第107回 多くの経験をした女性ならではのるゆるやかな歌、しっとり聞いてほしい一枚

2015.01.29 ハワイアンCD
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エイミー・ハナイアリィ
~マイ・ファーザーズ・グランドドーター~
(URCD-8731)
タイトルは、つまり自分の娘は自分のお父さんにとって孫ってことで、親子三代の絆を意味しています。かつてのアルバムのジャケットに赤ちゃんの足が写っていたけれど、あの子供はもうこんなに大きくなりました。もう6年前のアルバムですものね。

今作はこの娘さんと最近亡くなられたお父さんに捧げられたバラード集。元ルーファスのマイケル・ラフとの共作をはじめ、半分くらいをエイミーが曲を作っている意欲作でもあります。静かでセンスいいピアノと、アコウスティック・ギターをバックに力まずリラックスして歌うエイミーは、今までにない雰囲気で引き込まれます。

イズラエルで有名な“オーヴァー・ザ・レインボウ”、かつてフリート・ウッド・マックが大ヒットさせた“ソングバード”、ハワイアンでは“アロハ・ノ・カラカウア”など彼女が愛してきた美しいメロディーが並びます。ハレアカラ・フラを大きな声でシャウトするエイミーもいいけれど、家族のありがたみを胸に切々と歌うエイミーもいいです。

幼いころから歌い続けて、エンターテインメントの世界で生きてきた彼女の人生。新しいパートナーと娘の誕生、お父さまの死。多くの経験をした女性だから歌えるゆるやかな曲は、疲れた我々へ捧げられたララバイのようにも聞こえます。後半のハイライト“星に願いを”を聞いてそう思いました。

 

ひとこと“ALOHA”コラム

週末、中山美穂と向井理の映画『新しい靴を買わなくちゃ』の試写を観てきました。正直あまり期待していなかったんだけど、パリの街並みをストレートに映し出す映像の美しさ、北川悦吏子の自然で共感できる脚本。さらに優しく響くピアノは坂本龍一。この豪華な顔ぶれをまとめたのは岩井俊二でした。ただのラブコメだと思っていたけれど、40代の女性が経験してきた悲しみ、20代の男が味わってきた挫折感。観ている僕らが少しだけ前向きになれるちょっといい映画でした。一度だけ行ったことのあるパリに、もう一度どうしても行きたくなりました。エッフェル塔のスクリーンいっぱいのアップ。あれだけでも観る価値ありです。