コラムコラム

第110回 美しく儚い夢のような演奏に思わず、 「ジェイク、すごいミュージシャンになったなぁ」

2015.01.29 ハワイアンCD
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ジェイク・シマブクロ / グランド・ウクレレ
(ハワイ盤HRCD2115 国内解説付盤LEIR-0120)
ジェイクのウクレレへの探求は今日も続く、静かに深く。そんな印象を強く持った新作です。プロデュースには、プリズムをあしらったジャケットで有名なピンク・フロイドの“狂気”でエンジニアを務め、ソロでも数々の大ヒットを飛ばしたアラン・パーソンズを起用。ロックに詳しい方ならこの人選がいかに意外で大胆なことであるかがお分かりだと思います。

アルバム最初の4曲は、ジェイクが今どれだけウクレレを弾くことに集中して生きているかを感じさせる熱演。決して速すぎず、かと言ってジャズ風に軽めに弾くわけでもなく。ただただウクレレという楽器に改めて向き合って思うままに弾いている。4曲目のタイトルは“more ukulele”ですから。その気持ちが伝わってきます。ジェイクのウクレレを引き立たせる必要最小限に抑えたバックの演奏でもアランの腕が光ります。

後半はぐっとテンポを落としてメロウな演奏が続きます。8曲目はイズラエルやルイ・アームストロングで有名な“オーヴァー・ザ・レインボウ”を弾いているんですが、鳥肌が立つ演奏ってまさにこのこと。スティングの名曲“フィールド・オブ・ゴールド”では、孤独な冬の午後、でも日差しはなぜか暖かい。みたいな雰囲気でいい感じで泣けてきます。
ラストはなんと“アカカ・フォールズ”。なぜジェイクがここでこの名曲を選んだのか? 寄り添うようなストリングスの四重奏はおそらくアラン・パーソンズのアイデアなのかな。アランはジェイクにこれを弾いて欲しくて、この仕事受けたんじゃないのかな? それほど美しく儚い夢のような演奏が広がり、刺さります。ジェイク、すごいミュージシャンになったなぁ。

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ひとこと“ALOHA”コラム

NHK-BSプレミアムで毎日放送されている、「日本縦断 こころ旅」にハマっています。視聴者からの手紙を元に、俳優の火野正平氏が自転車で全国津々浦々を走るという番組です。目的の場所へ向かう自転車からの風景を映し出すだけの演出のない構成にどんどん引き込まれてしまいます。「今日は山に上がらなくちゃいけないからいやだなぁ」的な火野氏のネガティブ発言も自然でいいんですよ。彼が読む読者の手紙の声やトーンもゆらぎがあっていい。温泉地とかじゃない、行ったことのない場所の風景もなんか新鮮だし、やっぱり海はいいなぁとか…いろいろなこと感じてしまって、何度もリピートしてしまいます。放送は毎日あって、月から金が午前7:45~8:00、加えて1週間の総集編プラスαが土日11:00から放送されてます。撮影クルー5人も全員自転車、黙々と走る姿もなんだかいいんですよね。一度見てください、じわっと元気が出てきます。