コラムコラム

第1回 ハワイ

2015.01.29 ハワイの地名
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美しい海と山、暖かな太陽の光にあふれる理想の島として世界中にその名を知られるハワイ。この「ハワイ」(Hawai‘i)という名の由来は諸説があり、はっきりとしたことは分かっていない。

もっともよく指摘されるのは「ハワイキ」と呼ばれる、ポリネシア人が生まれたとされる伝説の場からきたという説だ。アオテアロア(ニュージーランド)に住むマオリの人々によると、人間は「ハワイキ」で誕生し、かれらの住む島までカヌーを漕いでやって来た。死後にはアオテアロアから再びハワイキに戻るとされている。

マオリ以外にもポリネシアの島々に住む人々のあいだには同様の伝説があり、「アヴァイキ」や「サヴァイ」などと発音される。ハワイでは「ハワイキ」の「キ」が発音されずに「ハワイイ」となったのではないかと推測されている。(今日のハワイでは最後の「イイ」を個別に分けて発音することを示すために、ふたつのiのあいだに「オキナ」と呼ばれる記号を入れ、Hawai‘iと記す)この説に従えば、ハワイは人間が誕生した場とみなされているとも言えよう。

いっぽう、ハワイの名はハワイを「発見」した伝説の人物に由来するという説もある。ハワイの創造についてはいくつかの伝説があるが、そのひとつにハワイ・ロアの話がある。

ハワイ・ロアは南方の島に住む人物で、魚釣りの名手として知られる強力な指導者だった。ある日、彼は仲間とともにカヌーに乗って、新しい島を探しに出かけた。一行は天の星に導かれて、やがて今日のハワイ島にたどり着いた。食料と水が豊富なことに満足したハワイ・ロアはいったん故郷に帰り、妻と仲間を連れて再び戻ってきた。そしてこの島を自らの名で呼び、定住したと言う。

1778年にイギリス人のジェームズ・クック船長が欧米人として初めてやって来たころには、ハワイという名は島々の住人のあいだで広く使われていたようだ。ところがクックはハワイという名を用いずに、彼の庇護者であるサンドイッチ伯爵の名をとり、ここを「サンドイッチ諸島」と名付けてしまった。

「ハワイ」という名で島々が世界中に知られるには、カメハメハ一世がハワイ諸島を統一し、ハワイ王朝を築きあげるのを待たなければならなかった。王朝が確立されると、Hawaiiという欧文表記もだんだんと一般的になり、広く「ハワイ」が知られるようになっていったのである。