コラムコラム

第2回 マウイ

2015.01.29 ハワイの地名
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ハワイと言えば海というイメージが強いが、各島には美しい山も多い。

マウイ島にはハレアカラという高度3000メートルを超える山がある。ハワイ語で「太陽の家」という意味だ。マウイという神が、この山に隠れて、上空を移動する太陽に投げ縄をかけたことに由来しているという。マウイは太陽の速度を落として、日照時間を長くすることで、母親が日の明かりのともで、ゆっくりと樹皮からカパを作ることができるようにしてやろうとした。やんちゃなこの神は捕らえた太陽をなかなか離そうとせず、逆に太陽の足を何本も折り、弱い足だけを残してようやく解放してやった。それ以降、太陽は急いで動くことができず、島の上空をゆっくりと動くようになったという。だからハレアカラにはいつもたっぷりと太陽が降り注ぐのだ(とはいえ山頂の気温はかなり低くなるので、訪れる人は注意してください!)。

マウイは、ハワイの神話のなかではとても大切な神である。一説にはこのマウイこそがハワイの島々を創り上げたとも言われている。

ある日、マウイは兄弟と魚釣りにでかけた。それまで彼は釣りがとても下手だったので、兄弟に相手にされていなかったのだが、この日は父親からもらった特別な釣り針を手に、漁に挑んだ。

その日、兄弟にはほとんど収穫がなかったのに、マウイにはどでかい獲物が喰らいついてきた。糸を引きながら彼は兄弟に向かって「決して後ろを振り返らず、ボートを漕ぎ続けろ」と指示した。なんと、ボートが前に進むに連れ、どんどんと大きな島が海中から姿を現してきたのだ。「そのまま真っ直ぐ進め」とマウイは兄弟に言いつけ、糸をたぐっていったのだが、ついに兄弟のひとりが我慢できずに後ろを振り返ってしまった。そして、巨大な島が海から出てきたのを見て、驚いて漕ぐのを止めてしまった。その瞬間、大きな島は海にバラバラにくだけてしまった。もっと大きな島を釣り上げたかったマウイにはいささか残念な結果となってしまったが、これこそがこれがハワイ諸島の始まりであるという。

マウイ島の名は、このハワイの美しい太陽と島々をわたしたちにもたらしてくれた神に由来している。ただし、神のマウイの発音は、本来は「マーウイ」(Ma-ui)であるべきだ。今日の英語表記・発音のように「マウイ」と短く呼んでしまっては、まったく意味をなさないとハワイ文化の権威メアリ・カヴェナ・プクイが批判していることも覚えておこう。