コラムコラム

第16回 サーフィン映画が好き

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2002年にハワイを舞台にしたサーファー・ガールの青春サーフィン映画『ブルー・クラッシュ』が大ヒットした。この映画をきっかけに再びサーフィン映画というジャンルがマスコミに取り上げられ、キャスト達が着ていたサーフ・ブランドも大人気となった。

サーフィン映画ファンの僕にとって嬉しいことだが、ここまでサーフィン映画が話題になりヒットしたことに驚かされた。ハリウッド産サーフィン映画が大ヒットしたのは1978年公開の『ビッグ・ウエンズディ』が最初だ。この映画をきっかけに脚本のしっかりとした作品も何本か作られている。それまでのサーフィン映画といえば、60年代世界中にサーフィン・ブームを起こしたブルース・ブラウンによる『エンドレス・サマー』を筆頭にドキュメンタリーとしての映画がほとんどだった。

70年代後半、日本でサーフィン・ブームが起こり、数多くの作品が市民会館のような会場で公開され、僕もわくわくしながら鑑賞したのを覚えている。80年代には家庭用ビデオデッキの復旧で、これらのサーフィン映画が市販されるようになり、僕も何本か買った。今でもその頃の熱い思いを懐かしんで時々見ている。

サーフィン映画といえば音楽も重要な要素を占めている。主題歌も大ヒットした代表的な映画といえば、美しいメロディーに懐かしさを覚えるカラパナの‘メニー・クラシック・モーメント’とパブロ・クルーズのダイナミックなインストの‘フリーライド’だ。『エンドレス・サマー』のテーマ曲も60年代独特の良い雰囲気を感じられるインストの名曲。この3曲はCDでも購入できるのでぜひおすすめしたいと思う。

あまりメジャーにはならなかったが70年代後半から80年代に公開された僕の好きな3本のサーフィン青春映画がある。アリゾナからオアフ島のノースショアにサーフィンの修行にやってきた青年がパイプライン・マスターズに出るまでのサクセス・ストーリーを描いた『ノースショア』だ。ジェリー・ロペス、レイアード・ハミルトン、デレク・ホー、マーク・オキルポ、ショーン・トムソンなど一流サーファーが演技をしているのも必見だ。

サーフシーンはノースショアとマカハで撮影されていて、波の大きさには圧倒されてしまう。1959年の夏、アメリカの50番目の州になったハワイを舞台にした青春映画『アロハ・サマー』は、旅行で訪れたワイキキで知り合ったアメリカ人、日本人、ハワイアンの6人の若い男女が織りなすサーフィンと少し切ない恋の物語だ。サーフィンの得意なキャスト達だったが、当時の非常に長いロングボードを乗りこなす練習をかなりしたという。ワイキキに来たハリケーンの大波に挑戦するシーンなどを観ると、立派なサーフィン映画だとわかる。

そしてもう1本はシカゴから憧れのカリフォルニアにやってきた青年の恋とサーフィンをテーマにした青春映画『カリフォルニア・ドリーミング』。南カリフォルニアのライフ・スタイルとサーフ・スタイルを共に楽しめる。サウンドトラックも最高だ。印象的なシーンで流れるトランペットによるメロウなバラード‘ブラザーズ・テーマ’はカリフォルニアの水平線に沈んでゆく夕日をイメージさせてくれる、僕のもっともお気に入りの曲だ。

現在は、高画質で臨場感のある映像を大画面で見ることができるようになり、家庭でも気軽にサーフィン映画を楽しめるようになってきたのは嬉しい限りだ。だが、昔、市民会館などで僕が見たサーフィン映画の少し荒い画質が、遠い時代の思い出のとして僕の心には刻み込まれている。