コラムコラム

第29回 KPOA FM93.5 Lahaina Maui

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太陽が西に傾きかけた頃、カーラジオからメロウなハワイアン・ミュージックが流れてきた。チャンネルはラハイナにあるハワイアン専門FM局「KPOA FM93.5」だ。僕は今、左手にラナイ島を望みながら観光客でにぎわっているラハイナのフロント・ストリートを北に向かってゆっくりと車を走らせている。

町を抜けたところにある大きなショッピング・モールで食材の調達を済ませ、サンセットタイムに間に合うようにラハイナのオーシャンフロントのコンドミニアムに戻った。そして部屋のラジオのスイッチを入れる。

もちろん「KPOA」だ。毎日この時間は「マウイ・サンセット」をテーマに番組構成されていて、マウイの美しいサンセットと共に至福の時を過すための、ハワイアン・ミュージックが流れている。このラジオ局で僕がもっとも好きな番組だ。やがてラナイ島に沈んでゆく夕日とともに「KPOA」から流れる極上のハワイアン・ミュージックに僕の心も溶け込んでいく。

僕のハワイアン・ミュージックのベストソングは「KPOA」で使われているシングルの曲だ。 マウイ島の男性コーラス・グループ、ハレアカラが歌う「Lahaina’」という、ラハイナへの想いをこめたとても雰囲気のある曲だ。

このラジオ局は地元のアーティストの曲をいつもオンエアーしているのでオアフのハワイアン専門局とは一味違った内容になっている。中でも僕が好きなのはジョージ・パオア(George Paoa)の「Walking in the Sand」、ハワイアン・ハート(Hawaiian Heart)の「Sweet Lahaina Nights」、「Honolua Bay」などマウイのアーティストによるマウイを歌った曲だ。

90年代初頭はハワイアン・ミュージックのCD化が進んでいなかったのでアナログ盤でオンエアーしている事が多く、傷や針飛びなどあって途中で曲をストップしたりして手作りの暖かさを感じたものだった。

ラハイナの南端のショッピングセンター‘505フロント・ストリート’にあった「KPOA」のグッズショップで見つけた「KPOA」監修のコンピレーションCD「Maui’s Sunset Music」は、マウイの美しいサンセットタイムにマッチする良い選曲をしている。

曲の間に流れるCMがまた良い。すべてマウイのローカルCMでレストラン、ショッピングセンター、ツアーなど観光客向けのものが多く、BGMにはハワイアン・ミュージックを使用し、どれも印象的でセンスの良い仕上がりになっている。

以前、カアナパリのオンザビーチのホテルに宿泊した時、時差ぼけで深夜に目覚めてしまい、波音と共に「KPOA」を明け方まで聴いていたことがある。そのときはオロマナの特集をやっていて「So Free」という曲に入っている波音に窓の外のカアナパリ・ビーチの波音が重なって夢なのか現実なのかわからない時間を過ごしていた経験がある。 「KPOA」を聞き始めた頃の印象的な思い出だ。

このラジオ局も最近はジャワイアンが中心になって曲の構成も変わってきているが、CMは以前と変わらぬ雰囲気でオンエアーしている。

カフルイ空港でレンタカーをピックアップして、まずカーラジオをFMの93.5に合わせる。これでようやくマウイに着いたというホッとした安心感と同時にうれしさがこみ上げてくる。この感覚を味わいたくて僕はいつもマウイ島に通うのだ。

◆ヒロクメさんのHPはこちら
http://www.hilokume.jp