コラムコラム

第35回 コダック・フラ・ショーの面影

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あるイベントでワイキキ・シェルの敷地内に入る機会があった。その時、木が茂り木陰になった隅の方にひっそりと静まり返った人気のない場所を見つけた。僕はその場所に妙に懐かしい気配を感じとったので行ってみると、そこは近年惜しまれつつ終了したコダック・フラ・ショーのエントラスがあった場所だったのだ。

ショーの開催当時フィルムやドリンクを売っていた売店の小屋がそのままの状態で残されていた。

小屋の上にはコダック社のイメージカラーでもある黄色い看板もあった。
ショーが行われていた場所は現在でもイベントを行うため芝生が綺麗に手入れされていて、また明日もコダック・フラ・ショーが開催されるのだと錯覚してしまうほどだった。

コダック・フラ・ショーはアメリカ最大のフィルム・メーカーのコダック社がフィルム販売促進のため行ってきた無料のフラ・ショーだ。

1937年から青空の下、カピオラニ・パークで週に3回行われていたこのショーはワイキキ滞在者の人気のショーのひとつであった。僕も古い時代のワイキキにタイムトリップさせてくれるこのショーが好きで何度も通っていた一人だ。とくにカラフルなムームー・ドレスを着た年配女性のフラや年季の入ったガールズ・ハワイアン・バンドの演奏は好きだった。売店で購入した‘Kodak Hula Show’というカセット・テープを聞くとショーの雰囲が脳裏に蘇ってくる。

しかし90年代も終わりになると時代もデジタルカメラが主流になり、フィルム需要の減少でコダック社がスポンサーを降りた為、一時はショーの継続を危ぶまれたが旅行会社のプリーザント社が引き継ぎプリーザント・ハワイアン・フラ・ショーと名前を変え、この無料のフラ・ショーを継続してきた。

しかし残念ながら数年前に終止符をむかえたのだった。

このワイキキの名物フラ・ショーの終焉により‘古き良きハワイの香り’がまたひとつ姿を消してしまった思いだ。

この跡地にたたずむと毎回大勢の観光客で賑わったコダック・フラ・ショーの音楽が今にもハワイの爽やかな風に乗って聞こえてきそうな雰囲気さえする。

ここは時代の流れというものを肌で感じ取れる場所のひとつでもある。

◆ヒロクメさんのHPはこちら
http://www.hilokume.jp