コラムコラム

第9回自然と共に生きるという考え方

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“Hānau ka ‘āina, hānau ke ali’i, hānau ke kanaka” (出典:’Ōlelo No’eau)

カウアイ島ハエナにあるリマフリガーデン内部。大自然に囲まれた、ハワイ先住民の昔の生活環境が再現されている。 (Photo Noriko Karube)

 

これは、ハワイ先住民文化に伝わることわざの一つです。日本語にすると、「土地、首長、平民、すべてはお互いに属している」と、言えるでしょう。以前、山も、タロイモも、人間も、すべては空と土地の神々から生まれた、という神話についてお話をしました。ハワイの人々にとって、命を生み出す物、命を維持する物、生まれた命、すべては自然界の中で一つの輪のようにつながっているのです。

人は言葉を使って物を分類し、名前を付けていきます。この時にみられる特徴が、その生活にとって身近なものにはたくさんの種類・名前を付ける、ということです。日本を例に考えてみましょう。日本は四季に恵まれ、多くの地域で稲作が発展しました。お米は伝統的に日本人の主食です。このお米に関し、日本語では、「稲」「もみ」「米」「ご飯」など、常態によって異なる呼び方がありますが、英語になると、すべてまとめて「rice(ライス)」になってしまいます。その土地の人にとって、何が生活する上で密接なのかがわかってきますね。

古来より、日本には、萬物に八百万の神が宿る神道の信仰があります。それだけ自然が日本人の生活に近い所にあったということであり、同時に、日本人は自然現象を微妙な特徴によって認識・細分化し、多くの呼び方を付けてきた、ということです。「小雨」「狐の嫁入り」「甘雨」「五月雨」……。雨の名前はいったいいくつあるのでしょう。

同様に、ハワイ先住民も、太平洋の真ん中で大海原に囲まれ、豊かな自然環境と密接に生きてきました。自然は、命を生み出し、生み出した命を維持する物も生み出します。しかし、時に、自然は生み出した命を奪うこともあります。恵みと恐ろしさ、両方を持った自然の中に生きてきたハワイ先住民の世界観は、自然環境と切っても切れない関係にあるのです。

次回からは、ハワイの人が昔からどのように様々な自然と結びついてきたのかを、より具体的に、特にフラに関係している物を中心にみていきましょう。