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第10回 月を読む(1)

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第10回画像

Photo Mike Teruya, Kauai

西暦300年~700年頃、マルケサス諸島やタヒチから、ポリネシア人がカヌーでハワイにやってきました。それにしても、電気もエンジンもないのに、太平洋の真ん中に浮く小さな島々にどうやってカヌーでたどり着いたのか…。強靭な肉体と「運」はもちろん必要であったでしょう。

しかし何よりも鍵となったのは、彼らの優れた知識です。雲の動き、風の流れ、鳥の飛び方を見て、彼らははるかかなたにある陸地を目指すことができました。また、夜には星を読み、真っ暗な大海原でも目指す方向に進むことができたのです。

このように、身体的に優れているだけではなく、自然現象を深く理解していたポリネシア人の知識が、ハワイ文化の基礎となったのです。

 

ハワイの人々の日常生活には、毎夜必ず空に上がり、毎夜必ずその形を変える「月」が大きな意味を持っていました。ハワイでは、月の満ち欠けは29.5日で1巡りすると考え、30日(30夜)を1つの生活のサイクルにしていました。新月、三日月、半月、満月…それだけではありません。彼らは光の量、波の高さなどを観察し、30個すべての月に最も適した名前をつけ、それぞれの夜に意味を見い出していました。

1番目の月は、新月の次の月から始まります。そして、1番目~10番目の夜は「オオヌイ(O’onui:大きく育つ)」、11番目~20番目の夜は「ポエポエ(Poepoe:丸くなる)」、21番目~30番目の夜は「ホエミ(Ho’ēmi:小さくなる)」、と、30夜は大きく3つの現象に分けられていました。

そして、主に漁業、農業に関することはこの月の満ち欠けで決まっており、それに関連する儀式も月に従って行われていました。フラにとって重要なイプ、ハワイの人を支えるタロイモなど、重要な植物に関しては特に、植えてよい日やいけない日が細かく決まっていたようです。

 

次回はもう少し、具体的に月の満ち欠けを見ていきたいと思います。ハワイの人が、空と大地の間で、宇宙の動きに従って大地や海と見事につながっていた様子に思いを馳せてみましょう。