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NEW!第13回 雨を降らす岩、マナウア

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ハワイ島ワイメアのある場所に、雨を降らすと言われている岩があるのをご存知でしょうか。「マナウア」と呼ばれています。ワイメアで生まれ育ったプア・ケースさんは、このマナウアに特別な思いを持っています。

プアさんのお名前をご存知の方は、「TMT建設反対派」という印象を持たれているかもしれません。実際、ここ数年はご家族と一緒に世界中を飛び回り、マウナケア山の神聖性、なぜ今マウナケア山を守る必要があるのか、などを、積極的に発信しています。しかし、実は、プアさんはとても伝統的な系譜に繋がるクムフラでもあるのです。ワイメアにハラウをお持ちですが、新しいハウマナの募集はしません。とても少ない人数のハウマナに、長い時間をかけ、大切にご自身が継承している伝統を教えています。

ワイメアがあるハワイ島コナ側は、なかなか雨が降りません。私が2月上旬に訪れた際も、ヒロを出発した時には雨がかなり降っていたのに、ワイメアに向かって島の中央、マウナケア山への登頂口付近を通過すると、急に青い空が現れました。

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ワイメアのマナウア。オヒア・レフアと一緒に桜の花をお供え。 (Photo: Noriko Karube)

そんなワイメアは、これまでに何度もひどい干ばつに見舞われてきました。太陽は生命にとって重要ですが、水もまた、無ければ生命を絶やしてしまいます。ワイメアの人たちは、昔からこのマナウアにお供え物や祈りを捧げ、雨を願ってきました。

地元では、マナウアには近くの湖に住む水の精霊、モオ・ワヒネ(トカゲの女神)が日向ぼっこをしに来ると信じられています。モオ・ワヒネは、レイや食べ物のお供えがされているのを見ると、人々の思いに喜び、お返しに雨(水)を恵んでくれるというのです。

プアさんは、昔から何度もこのモオ・ワヒネによる返礼の雨を目撃しています。水は少なすぎても多すぎてもいけません。環境にはバランスが必要です。フラを通じて人と環境の繋がりを熟知しているクムフラ、プア・ケースさん。恵みの雨をもたらしてくれるモオ・ワヒネのためにも、水にとって大切な環境を守っていきたいと考えています。

2月上旬、ワイメアでは桜が咲いていました。日本からの思いの象徴として、プアさんはマナウアに桜を一枝、お供えしてくれました。日本文化も、自然環境ととても密接に結びついています。ハワイ文化のことを、日本からもっと深く理解していきたいですね。