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意外と知らない、ハワイの学校で歌われている校歌

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イメージ画像:PHOTO AC より

■ハワイの校歌はどんなものがある?

私は来日してから初めて「校歌」と呼ばれている歌を聞きました。小学、中学、高校と大学の校歌を全部覚えていた一人の日本人に出会い、とても感心したことを覚えています。数年後ハワイでも校歌を聞きました。

ハワイにやって来たアメリカの宣教師たちは、自分の子どもたちを本土の学校に行かせました。しかし、往復の船旅は長い時間がかかり、とても危険でしたので、カメハメハ一世の最愛の妻であったカ・アフマヌは宣教師たちにハワイに学校を建てたほうがいいと薦めました。

そして1841年、宣教師たちが自分の子どもたちのために建てたのは、オバマ大統領も出たPunahou School(プナホウスクール)でした。1851年に建てられたホ―ルは今もキャンパスに残っています。

校歌:
Oʻahu a, Oʻahu a (オ・アフ エイ、オ・アフ エイ)
Punahou, our Punahou (プナホウ、私たちのプナホウ)
Mau a mau, oh mau a mau (いつまでも、いつまでも)
Punahou, our Punahou  (プナホウ、 私たちのプナホウ)

Throughout the years we have shown our light, (長年導いた)
We glory in Oʻahuʻs might; (オアフの力を誇りにする)
The Buff and Blue’s a glorious sight  (黄褐色と青が素晴らしい)
Punahou, our Punahou (プナホウ、私たちのプナホウ)

この歌はドイツの“O Tannenbaum”のメロディーを借りています。

この学校に先立って、ハワイの青年のためのミッション・スクールが建てられました。1831年のことで、学校の名前はLahainaluna Seminary(ラハイナルナ神学校)。今のLahainaluna 高校です。最初に入学した25名の青年の中で最も有名なのは作家David Maloで、ワイキキ・ビーチのデューク・カハナモク像から少し離れたところに、彼が本を手に持っている彫刻が立っています。
この学校の校歌は “Lahainaluna”(ラハイナルナ)と言う有名な歌です。“ラハイナの月”と訳する人が多いですが、lunaは「月」を意味するラテン語ではなく、「上」を意味するハワイ語ですので、正しい和訳は“上ラハイナ”です。

校歌:
ʻO ka malu ‘ulu o ka o Lele (nō e ka ‘oi), (飛ぶパンの実の影の土地〔が最高〕)
Nā kualono nani e (kū kilakila) (美しい峰々〔綺麗にそびえる〕)
Me ka ua kilikilihune (aʻo Halona) (小雨が降る〔ハロナの〕)
Hoʻopulu i ke oho o ka palai (シダを濡らす)

‘O Lahaina, Lahainaluna nani (ラハイナ、美しいラハイナルナ)
Ka hōkū hele ho’i o ka Pākipika (太平洋の主要な星)
Ipu kukui ‘a mau (pio ‘ole) (永遠に燃える松明〔決して消えない〕)
I ka makani Kauaʻula (カウアウラ風に)

Huʻi anu ka wai mai uka (wai piula) (山から流れる冷たい水〔蛇口の水〕)
Ka ʻoe nenehe i ke aumoe (‘olu e) (真夜中に静かにぽたぽた落ちる〔心地よい〕)
‘Auʻau nā manu o ka uka (‘o ka uka weli) (高地の鳥たちは楽しそうに入る〔暑い高地〕)
Hoʻolono i ka leo pelekani (ベルの音の)やまびこを聞く

■アメリカ大統領にちなんだ校歌も

その他ハワイには、米国大統領にちなんで名づけられた2つの学校があります。25代目の大統領マッキンリーの名が入ったPresident William McKinley High School (通称McKinley High School) は1865年に設立されました。マッキンリーはハワイがアメリカの一部となることを望み、さもなければハワイが日本の領地になると主張しました。彼は1905年に暗殺されました。この記事を読んでいる方はこの学校の建物を見たことがあるかも知れません。なぜなら建物はしばしば映画やドラマのロケ地になるからです。

校歌:
Hail , McKinley, hail(万歳、マッキンリー、万歳)
Hail, McKinley ,hail(万歳、マッキンリー、万歳)
Thy sons and daugthers(あなたの息子たちや娘たちは)
Sing thy praise(あなたを褒め称える)
And loyal serve thee all their days(いつまでもあなたのために役立つ)
Alma Mater, thee alone we love(母校よ、私たちはあなただけを愛する)
And thy colors floating high above(あなたの旗を高く上げる)
Hail, McKinley, hail(万歳、マッキンリー、万歳)
ALL HAIL!  ALL HAIL!(万歳、万歳)

また、1932年に設立されたPresident Theodore Roosevelt High Schoolは26代目の大統領セオドアの名前を持っています。従弟に当たるフランクリン・ル―ズベルトは32代目の大統領でした。セオドアは日露戦争の停戦を仲介した功績でアメリカ人で初めてノーベル平和賞を受賞しました。

校歌:
Tis with hearts, full pride, dear Alma Mater,(愛しい母校よ、心から、誇りを持って)
We rise and sing to thee!(私たちは立ち上がって、あなたのために歌う!)
And pledge to keep thy colors high(そしてあなたの素晴らしさを表すことを約束する)
Through all the years to be!(これからいつまでも!)
To thy name we promise to be loyal,(あなたの名前に忠誠をちかう、)
Ever faithful, ever true!(いつまでも忠実に!)
Roosevelt, to thee our song shall be,(ルーズベルト、あなたに歌う、)
All hail! Hail! Hail!(万歳!万歳!万歳!)

■ハワイの子どもたちにために建てられた学校

カメハメハ・スク―ルは1887年にBernice Pauahi Bishopの遺言によってハワイ系の子どもたちのために設立されました。毎年行われるソング・コンテストはテレビで放送される恒例の人気イベントです。コンテストで歌われる“I Mua, Kamehameha”は卒業生だったCharles E. Kingの作品で、また母校を讃えるKamehameha Waltzも彼の作品です。

I mua, Kamehameha ē(前進しよう、カメハメハ・スクール)
A lanakila ‘oe(勝利を得るまで)
Paio, paio like mau(皆が一丸となって、ファイト、ファイト)
I ola kou inoa.(あなたの名前が永遠に知られるために)
Ka wā nei hō‘ike a‘e ‘oe(今が証明する時)
‘A ‘ohe lua ou.(あなたは二つとない)
E lawe lilo ka ha‘aheo(勝利に誇りを持つ)
No Kamehameha ē.(カメハメハ・スク―ルのため)

この歌はいわゆる“ファイト・ソング”と呼ばれていて、スポーツ大会で歌われます。
ちなみに日本で最初に校歌が歌われた学校はお茶の水女子大だそうです。歌詞に“鏡も宝石も磨かないと光らない、学問もおなじです”とあります。宝石と聞いてMcKinley High Schoolのモットーの一つを思い出しました。それは、“生徒たちは学校の宝石(jewels)です。国にささげます。”というモットーでした。

文責:エギルマネ・フセボ