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“裏” の意味を持つ「メレ・マイ」を学ぶ

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 クック船長は、ポリネシア人が発見したハワイの島々を再発見した人物といわれています。その後外国人がハワイに少しずつ増えると、ハワイ人に役に立つものも命取りになるものも一緒にやって来ました。特に後者でいえば、ハワイ人には免疫のない病気をもたらし、そのせいで人口が著しく減りました。クック船長が現れた頃ハワイの人口は約40万だったと思われていますが、19世紀の後半になると人口は約6万に減ったと思われています。

 ハワイ人が絶滅することを最も心配していたのは王家の人々でした。そのためmele ma’i(子をもうける歌)は以前に増して重要になりました。
 子供が産まれると、二つの名前が選ばれました。一つは普通の名前で、もう一つは生殖器に付けられました。後者はできるだけの縁起のいい名前でなければなりませんでした。そして生殖器を讃えるoli(チャント)が作られました。ビショップ博物館には古代からの受け継がれてきたmele ma’iがたくさん保存されています。

 作家・井沢元彦氏によりますと、古代から日本には“言霊(コトダマ)”と“言挙げ(コトアゲ)”と言う概念があります。“言葉に一種の霊的威力(霊力)を認め、それを口にすることによって、その霊力を発動させ、例えば雨を降らすことができると考えていました。”(参考:『言霊』祥伝社出版)
 ハワイ人も同じことを考えていました。生まれた子供の生殖器に縁起のいい名前を付けてチャントを唱えていました。カラーカウア王には“とても大きい”を意味する名前が付けられ、それで王が子供をたくさん産ませることになると思われていたのです。

“He’eia”(へエイア)という歌は“ノホ・フラ(座って踊るフラ)”としても有名です。カラーカウア王はハワイ島コナ地方のKeauhou(ケアウホウ)、へエイア湾の近くに別荘を持っていました。そこでサ-フィンをした時の話が歌われています。サ-フィンをした後、彼は一人の女性に会いたがったのですが、彼女はもういませんでした。歌詞に“私は間違っていた。あなたが私の胸の中にいたと思っていた”とあるのですが、これを夜の暗闇の中で、ふくよかな体形の女性に乗った時に、サ-フィンのように揺れ動いたという解釈もあります。
最初の三つの節はサ-フィンを述べています。その後にこれらの四つの節が
続いています。

A he kuhihewa koʻu lā(私が間違っていた)
Aia i ka poli (あなたが胸の中にいた〔と思い〕)
Hāpapa hewa au lā(無駄に手探りした)
I ka maka o ka moena(マットの中で)

ʻEʻena ia manu lā(彼女は臆病な鳥)
Noho mai i ke kuahiwi(山に住む)

Haʻina ka puana lā(話を繰り返します)
O Hālala i ka nuku manu(大きな嘴の鳥ハーララの話)

 裏の意味の説明は不要でしょう。
 また、カラーカウア王を歌っている別の歌は“あなたの活発な生殖器”を意味する“Ko ma’i hō’eu’eu”。曲名から分かるようにこの歌はかなり直接的で、こちらも説明の必要はありません。ハワイ語の歌詞と英訳はhuapalaに載っています。

一方、リリ・ウオカラニ女王は“陽気”を意味する‘Anapauという名前が付けられました。
‘ANAPAU:
He aha ē ka hana ʻAnapau lā (アナパウは何をしている?)
Holo lio ē ka hana ʻAnapau lā(アナパウは乗馬している)

He aha ē ka hana ʻAnapau lā(アナパウは何をしている)
Hoʻolewa ē ka hana ʻAnapau lā (アナパウはあちこちに行っている)

I luna aʻe ʻoe ʻAnapau lā(あなた、アナパウ、は上へ)
I luna loa ʻoe ʻAnapau lā(あなた、アナパウ、は高く)

I lalo iho ʻoe ʻAnapau lā(あなた、アナパウ、は下へ)
I lalo loa iho ʻAnapau lā(あなた、アナパウ、は深いところに)

He aha ē ka lole ʻAnapau lā(アナパウは何を着ている)        
He silika ē ka lole ʻAnapau lā(アナパウはシルクを着ている)

ハワイでは少女たちもこの歌を踊っていますが、本当の意味を教えてもらってはいないようです。