ハワイ島のヒロ市にリリ・ウオカラニ公園(Lili‘uokalani’s Gardens)という観光名所があります。日本から来た観光客にも、そして特に日本の庭園を見たことのない外国人にもすすめたい場所です。ここには灯籠も太鼓橋も、錦鯉が泳ぐ池もあります。
公園の近くには、“生命の島”を意味するモク・オラ(通称ココナッツ・アイランド)という小島があります。ここに病気に効く水があるといわれていて、子どものへその緒をここにある平らな石の下に入れていた時代がありました。モク・オラについて歌った曲もいくつかあります。
リリ・ウオカラニ女王は1907年にこの土地をヒロ市に寄付し、現在公園はハワイ郡により保護されています。
女王は1895年に、イオラニ宮殿に8か月間幽閉されていました。そこでは侍女であるエヴァリン・ウィルソンが女王の世話をし、その息子ジョンが女王に毎日花を届けていました。女王は新聞を読むことが禁じられていましたが、ジョンは花の包み紙に新聞紙を使うことで、女王はこっそりと新聞を読むことができたのです。その少年は、のちにホノルル知事になりました。
ジョンが普段持ってきた花は、女王の住まいであり、”啓蒙を鼓舞してくれるささげもの”を意味するウルハイマラハ(Uluhaimalama)の庭から採ってきたものでした。しかし、1895年3月20日にジョンが持ってきた花は、ワイキキのハモハモというところにある女王の住まい、パオアカラニ(Paoakalani)の庭の花でした。その花が、歌「 クウ・プア・イ・パオアカラニ」(Ku’uPua I Paoakalani)のインスピレーションになりました。
この歌の2節目の歌詞をみてみましょう。
ʻIke mau i ka nani o nā pua いつも花の美しさを見ている
O ka uka o Uluhaimalama ウルハイマラマ(庭)の高台から来た花
ʻAʻole naʻe hoʻi e like しかし、それらの美しさは私の平和な
Me kuʻu pua i ka laʻi o Paoakalani パオアカラニの花ほどではない

リリウオカラニ公園。