コラムコラム

ナタリー・アイ・カマウウ 『21°N 158°W』

2019.09.27
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ナタリー・アイ・カマウゥ、4年ぶりの新作がリリースされたのでご紹介しましょう。ナタリーはこの20年のフラ・ムーブメントを率いるもっとも大きなアイコンのひとりでした。今は日本にスクールも開講していることと、イベントにもよく登場するので、その踊りや歌を目にした人は多いことでしょう。

 

オアフの名門ハラウ・フラ・オラナ率いるオラナ・アイの長女として生まれ90年のミス・アロハ・フラでもあるこの人は、歌もとんでもなく上手い。それもそのはず、一緒にハラウを運営するハワード・アイもソロ・アルバムを出すほどの美声の持ち主だし、そもそもハラウ・フラ・オラナはハラウのアルバムを出してロング・セラーになるほど、音楽を重視するハラウとしても有名でした。こんな環境で育った彼女だから、踊りはもちろん歌も自然と身につけていったのでしょう。

僕が彼女を知ったのはフラと並行して活動のベースにしていたサンランドというポップバンド。安定した音程と輝くような高音。ハワイではずば抜けた存在だったはずだけどアルバム数枚で自然消滅。その後はフラの世界一本で活動し、2005年に夫であるイオラニと協力してソロ・アルバムを出し大ヒット。その後の活躍はみなさんご存知のとおりです。

デビュー以来、花がパァーと咲いたような美しい高音を強みにフラナンバーを歌いまくるという趣向のアルバムを連発してきた彼女ですが、今作ではぐっと落ち着いた歌が印象に残ります。エレピと生ギターの穏やかなイントロに導かれて感情を抑え目で歌うナタリーが素晴らしい「クゥ・レイ・マカマエ」で幕を開け、ピアノとストリングスで歌う「レット・ミー・ダウン」、カントリー調のスライドギターが気持ちいい「モロカイ・ヌイ・ヒナ」までのスローナンバー3曲で一気に引き込まれました。

4曲目の「エクゥ・レイ、エクゥ・イポ」はノスタルジックなスティールギターが効いたフラソング。続く「カレイオラナ」も10人ぐらいの小グループで踊ったら映えそうな美しいナンバー。と、ダンサーが踊りたくなりそうな曲たくさんあります。

 

ロマンチックに歌い上げるラストの「アンダー・ザ・ムーン」でのこの人の深い情感の入れ方、歌心に関心しました。声の素晴らしさとユニークさ、絶対にぶれない完璧な音程。素晴らしい歌手、いや音楽家と呼ぶべき人です。

まさに秋に聴きたい新しいナタリー・アイの新境地を楽しんでください。

 

ひとことアロハコラム

昨年夏、近所のケイヨーD2で売れ残っていたプルメリアを衝動買いしました。プルメリアの例外に漏れず咲く気配すらなく、秋を迎え家の中の小さな出窓で越冬させ、GWくらいから外に出していたら、すごい勢いで葉が出てきました。僕の中で葉がたくさん付く幹は、栄養が全部葉にいってしまい、花は咲かないというイメージがあって、今年もだめかと諦めていました。ところが梅雨の最中から蕾が出てきて、この夏は毎朝プルメリアを眺めることができました。

まだ蕾があるから10月初旬くらいまでは咲いてくれそうです。

プルメリアは特別な花。愛おしい花です。幸せな2019年夏でした。