コラムコラム

ケアラ&カポノ・ビーマー 『Honolulu City Lights ホノルル・シティ・ライツ』

2021.05.05 ハワイアンCD
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今日は「想い出の1枚シリーズ」です。

今回のアルバムのような廃盤になったCDは、これまでご紹介することができませんでした。というのも、紹介しても興味を持ってくださった方がCDを買えないんじゃ意味がないわけで、残念な思いをさせてはいけないと諦めざるを得えなかった訳です。今はスポティファイをはじめとした配信サイトがかなり細かく深いところまで追いかけてラインナップしてくれているおかげで、誰でも少額かCMを気にしなければ無料でご紹介した音楽を聴いていただくことができるようになりました。僕たち音楽を紹介する側にはよい時代になったと言えます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて今回のケアラ&カポノ・ビーマーはハワイの音楽名門一家ビーマー一族に生まれた兄弟。ケオラは奥さんでクムでもあるモアナ・ビーマーさんと一緒に来日したことも多かったのでご存知の方も多いはず。このアルバムは、二人の巧みなスラック・キー・ギターと二人の美しいハーモニー、さらに二人の作曲センス、この3点をどれをも損なうことなく見事に融合させ、当時の音として完成させた1枚です。同じ頃リリースされたセシリオ&カポノの「ナイト・ミュージック」のように、もっと都会的にAOR風なテイストにするという道もあったと思いますが、そうはせずハワイの音楽のアイデンティティを優先した、ぎりぎりの線引きが功を奏した奇跡の1枚だと思います。

 

当時オアフと本土や日本などを忙しく行き来していた二人。離陸したばかりの飛行機から見るホノルルの夜景をうつろな目で眺めていた頃の気持ちを歌ったという①「ホノルル・シティ・ライツ」は今聴いても胸がきゅーんとなってしまう切ない曲です。カレン・カーペンターがこの曲に惚れてすぐに録音したというのもわかります。このアルバム一番の聴きどころは⑤「カマカニ・カイ・リ・アロハ」です。ウェルドン・ケカウオハがカバーして日本のフラダンサーにもおなじみのこの曲を、美しいギターと完璧なコーラスと素朴な打楽器、そして最低限のストリングスでふわっと覆ったこの曲は、今のハワイアン・アーティストでは表現できない、ハワイ伝統に敬意を高い敬意をはらいつつ自分たちのハワイ音楽で表現した1曲。もう1曲⑨の「プア・タバローズ」もいいです。谷を吹き抜ける湿り気のある風のようなコーラスから入るアレンジを聴くがたびにふたりのセンスを感じます。

 

このアルバムは春から夏に変わるこの季節に聴きたくなるアルバムです。「ホノルル・シティ・ライツ」で感じた切なさがアルバム最後まで持続して聴き終わったあとに、なんだかわからないけど希望を感じる、不思議な余韻を与える1枚でもあります。

 

❖❖❖ ひとことアロハコラム ❖❖❖

本年度アカデミー賞に輝いた「ノマドランド」を観ようと、みなとみらいにあるシアターの予約サイトをチェックしました。すると僕の行こうとして回は8割方の席が埋まっていて隣が空席の席はありませんでした。全体の半分以下くらいの座席数で回していると思っていたのでこれには驚きました。飲食店はお酒も出せず苦しんでいる中、こんな超密な営業が許されているんですね。そもそもこの時期に映画館に行こうとする段階で私もだめですね。ライブがお預けなので、せめて映画館の迫力で感動を得ようとしたのですが、ここもだめだったか。という悲しいお話でした。

 

今回のアルバムがスポティファイで試聴できますよ!

Keala & Kpono Beamer 

『Honolulu City Lights』