オロマナは、1976年にデビューしたグループ。当時のセシリオ&カポノやカラパナ、ちょっと渋いところでカントリー・コンフォートなどと一緒のくくりで語られる「ダカイン・サウンド」と呼ばれる一派のひとつです。 ハワイに生まれ育った彼らだけど、ハワイのトラッドな音楽はなんだかピンと来ない。ギャビー・パヒヌイのギターを聴いて“ガツーン”と来てしまった彼らは、自分たちの世代の新しいハワイの音楽を作りたがった若いミュージシャン達なのです。
このオロマナの人気が再燃している?かどうか微妙だけど、最近お店や地方からの電話なんかで良く問い合わせを受けます。それは決まって、「ナ・プア・レイ・イリマ」に関して。この曲は今回のこのアルバムに入っています。
1991年のアルバムだからもう15年前。この時からハウナニ・アポリオナをメンバーに加え、かつてのフォーキーなサウンドから一転、トラッドなハワイアン・サウンドになりました。リーダーのジェリー・サントスのほのぼのとした土っぽい声と複雑に美しく絡み合うギターのアンサンブル。そして素晴らしいのは、ハウナニのどっしりとしたヴォーカル。 1曲を除いて全てハワイ語。とってもゆったりした曲調。ウクレレの音もしないし、スティール・ギターの音も聞こえない。だからこれをフラで踊ると聞いてちょっとビックリしたけど、だってあまりに渋い演奏だから踊りづらいだろうなと思ったから。それをわかってこの曲を選ぶ先生はほんとにオロマナが、いやハワイアンが好きなんだろうな。
とにかく聴いて欲しい。絶対に気に入ると思います。「なんか今まで聴いたハワイアンと全然違う。でもなんだかとても落ち着く感じ」。って思ってもらえると思います。 今も現役、ほんとのハワイアン好きに受ける不思議なバンド、オロマナをご紹介しました。
【artist】
OLOMANA オロマナ
【title】
E MAU ANA KA HA’AHEO(1991)
エ・マウ・アナ・カ・ハー・アへオ
こちらは彼らのデビューアルバムで大きなジャケットとオレンジ色のバンドのロゴがいい。最高に70年代していて大好きです。2本の生ギターと優しさと誠実さのにじみ出たヴォーカル。この音楽に似合うのは、ちょっと雲が多い午前中、でもいつものことで午後からは晴れるってわかっている朝って感じです。全体に地味だけど聴くたびになんだかとても静かな幸せな気持ちにさせてくれるアルバム。
【artist】
OLOMANA オロマナ
【title】
LIKE A SEABIRD (1976) ライク・ア・シーバード