ジャケットに映る小さな小さな足。今幸せの絶頂にいるエイミーがまさに待望のニューアルバムをハワイでリリース。とにかく素晴らしいの一言です。
今回のバックは元“ハパ”のケリー・カネアリィのギター、ボビー・インガノのスティール・ギター、そしてエイミーが絶対的な信頼を寄せ、ライブでも登場することが多いチノ・モンテーロのギター。
1曲目からずっと聴いていて感じるのは、リラックスして歌うエイミーの姿。大名盤となった前作に比べ、なんか好きな仲間を自宅に呼んで“じゃ、そろそろ始める?”って感じで裏庭でセッションしているような雰囲気があります。それとエイミーのアレンジのセンスが冴えていて、今回の重要なゲストの一人、カウマカイワ・ロパカ・カナカオレのチャントがカッコよくフューチャーされた曲が収められています。
アルバムはそんな感じでどんどん進むんですが、ちょっと趣が変わるのは終盤。まず12曲目には「タヒチ・ヌイ」というアップテンポのタヒチアンが入っています。タヒチアンは圧倒的な音源不足ですから人気の曲になることは必至ですね。
ラストの2曲には、今回のプロデューサーでもあるマイケル・ラフの大活躍するジャズ・ナンバーが入っています。ウィリーKのライブでもラストに「枯葉」を熱唱するほどジャズ好きのエイミーのこと。自然な流れとは言え、見事なヴォーカルです。
さて、このマイケル・ラフの名前を聞いてアッと思った人は相当な音楽通。この人、チャカ・カーンが抜けた後の“ルーファス”などでキーボードをやっていて、ソロ作も出しているフュージョン畑の人です。ファンキーなアレンジが得意。なぜこの人がエイミーと一緒にやるようになったかはわかりませんが、前半では曲も書いたり、いいアレンジもやっていてなかなか。今回のアルバムのリラックス感覚も彼の手腕によるところが大きいのかも。ハワイを飛び出して世界中で売れるアルバムを作りたかったであろうのエイミーの賢い選択ですね!
古賀まみ奈さんは最高!
フラスタイルWEBでも紹介されている(https://www.hulastyle.jp/special2008/060731.html)、古賀まみ奈さんのCD、実は私のヘビーローテーションです。彼女の歌は美しいファルセットが売り。そこに“パンダナス”のケネス・マクアカネのギターやボビー・インガノのちょっぴりノスタルジックなスティールがさり気なく絡みます。日本のアーチストがここまで贅沢なバックでCDを作るのはすごいこと。でもそれだけじゃありません。
このCDを一言で表現するなら“エレガントなハワイアン”。彼女の音楽を聴いていると、なぜか日本の下町の夕暮れを感じてしまうことがあります。どう聴いてもトラッドなハワイアンなのですが、ハワイのものまねではなく、日本のオリジナリティがはっきり感じ取れるんですね。ここにこの人の音楽の価値があると思います。とにかく日本人が作った現在最高のレベルのハワイアンがこれ!と断言できます。一言コラムが気合入って長くなっちゃった!
※私の勤務するタワーレコード川崎店のある「ラ・チッタデラ」では、映画『フラガール』の公開を記念して9月23日にハワイアンイベントを開催します。サンディさんも来ますよ!詳しくはHPをチェックしてくだい!
▼ラ・チッタデッラ
http://lacittadella.co.jp/now/aloha_style/
▼フラスタイルトピックス
https://www.hulastyle.jp/special/060911.html
【artist】
エイミー・ハナイアリイ AMY HANAIALI’I
【title】
ジェネレーション・ハワイ GENERATION HAWAI’I
【収録曲】
1.Na Pua
2.Hilo E
3.Rain Kilikilihune
4.Anahaki
5.No Na Hulu Kupuna
6.Kau’ionalani
7.Uluhua Wale Au
8.O Waipa Ke Manlama Mau Ai
9.Ho(oheno A’o Pi’ilani
10.Mauna’olu
11.Kalakaua
12.Tahiti Nui
13.In Hilo Town