VAIHI / NAVE NAVE
ヴァイヒ/
ハワイ直輸入盤 (VE-107)
ヴァイヒがとうとうハワイアン・アルバムをリリースって聞いたときは「こりゃ、売れるな」と思いました。と、その前に日本でも、特に湘南ではおなじみのヴァイヒ、出身はオアフのほぼ最北部、ライエ出身の4人組なんだけど、かたくなにハワイアンは演奏してこなかったグループなんです。もちろんフラのバックをやることも多いから、できるんだけど、CDにはほとんど入れることがない。僕の好きな“VAIHI”というアルバムではひたすらAORっぽいバラードを歌って泣かせてくれたし、ちょっと前に出て今は廃盤の“VAIHITIAN”はお得意のタヒチアンオンリーのアルバムだったりといったように、やりたいことを整理して毎回きちんとコンセプトをもって一枚一枚丁寧に作っているこだわりのバンド。そして彼らの売りは4人が4人ともリードを取れるヴォーカリスト集団であることだ。ソフトで深いハーモニー。おそらくハワイ随一だと思う。これで一度ハワイアンをたっぷり聴かせるアルバム作って欲しいというのがヴァイヒのファンみんなの夢だったわけです。
さてさて、届いたアルバム、まずアートワークが素晴らしい。少なくとも何も考えてないと思わせるジャケがいまだ多いハワイアンの中にあって、これはいい感じ。それと中のライナーにも“僕たちがハワイアン・アルバムを作るにはそれなりの思い、覚悟があったんだ”みたいなことも書かれていて、僕は和室へ移動して心して聴きました。やっぱりいいなぁ、ヴァイヒ。のっけからフラ・ソングのメドレーからして分厚いコーラスで迫力満点。開発が進むハワイの先行きを憂慮したIZの代表曲でもある“HAWAII 78”ではしっかりメッセージを伝えてる。ひょうきんキャラのヴァイヒだけど、きっと深い人たちなんだと思う。絶対頭のいい人たちです。とここで確信。
このあとも得意なタヒチアンも数曲挟みながら“koke’e”“nani wae’ale’ale”など渋めの選曲でギター、ウクレレ、時にスティール・ギターも絡ませながら進みます。さすが覚悟して録音に挑んだ初のハワイアン・アルバム、相当のできです。この夏、サムズ・アップやH-1カフェなんかでもライブしていたので、またひょっこり来るかもね。
一言コラム:
10/14の江ノ島アロハ・サンセットも無事終了。ケイキフラのこのイベントもタヒチアンの割合が毎回増えています。長かった夏もこれでやっと終了。帰りは小雨も降ってきてますます実感。13歳のイズミちゃんのファルセット・ボイスすごかったな。その後に出てきた、たぶん70代のクマさん率いる、クマ・アクーア、退場するダンサーにまで伴奏つけ、送り届けるダンサーへの心遣いにはいつも感激します。大好きな3人組です。