JACK JOHNSON / SLEEP THRUGH THE STATIC
ジャック・ジョンソン / スリープ・スルー・ザ・スタティック
(ユニヴァーサル UICU-1152)
ジャック・ジョンソンはノース・ショアで生まれ育ったプロのサーファー。でも大怪我でサーフィンが出来なかった時に覚えたギターと歌で、海を感じさせる等身大の歌を歌うミュージシャンとして日本をはじめ、世界中で愛されてきた。
また“セプテンバー・セッション”や“シッカー・ザン・ウォーター”といった、まったく新しい感覚の“メローな”サーフィン・ムービーを撮る人としても絶大な人気がある人。そう、今まで彼は海の人、夏の人、ハワイの人。と言うことで語られてきたわけだ。
でも、今回のアルバムはなんと真冬の2月に発売された。彼自身、「サーフィンは今も最も心を落ち着かせる、大切なもの」と言っているけど、今回は自分の家族への思いを綴った歌が多い。 サウンドも波乗りのあとの夕暮れのバックヤードでのセッションって感じだったかつての音から、とっても室内っぽい穏やかな音に変わっている。バンドとのアンサンブルも素晴らしく、独特のグルーブが心地良くて、かつてないほど心にずしりと入り込んでくる。ちょっと難解に思える今回の詞の意味を考えながら聞いてみるのも楽しい。
都会でも10や20、日によってはもっともっとたくさんの星を見ることができるこの季節の夜、新しいジャック・ジョンソンを聴いて見ていたら、常夏のハワイに憧れ続けてきたけれど、寒い冬がある日本もいいなって思えてきてしまいました。
海のイメージが完全になくなったわけじゃないけど、家族のこと、子どもたちのこと、環境のことを真剣に憂慮して歌う今回の彼スタイルは大歓迎だ!
ひと言コラム*
今度のジャック・ジョンソンのアルバムはレコーディングに使用されるほとんどの電力はスタジオに設置されたソーラー発電で賄われたらしい。 以前から自家発電に興味があった私は、ますます彼が好きになってしまいました。でも、シャープでもサンヨーでも、まだ200万くらいの費用がかかってしまうし、それを回収するのに、つまり元を取るのに20年かかるって言うからまだ厳しいかもね…。でも自分で作った電気で聴く音楽ってどんな音がするんでしょう?