MAILANI / MAILANI
マイラニ / マイラニ
(ハワイ盤 MACD-2122)
ケアヒヴァイを憶えていますか? レイ・メルケットとマイラニ・マカイナニの女の子デュオ。‘02年のデビュー盤でいきなりナ・ホク賞の新人賞を獲得したふたりです。
今振り返ると、彼女らの音楽ってかっこよかったと思います。ハワイの先輩たちが切り開いたアイランド・レゲエ・サウンドをしっかり受け継ぎつつ、かわいいコーラスを絡ませながら、10代の女の子じゃなきゃ言えない、ハワイの日常を歌い上げる。誰にも似ていなかったし、その後も似た音も聴きません。 いつだったかの大桟橋のハワイイ・フェスに来ていた時、ナレオで有名な「ワイキキ」をやっていて、そのコーラスがふたりとは思えない厚みと美しさがあって感動しました。
リハーサルを終えて、CDを売っていたタワーのブースに寄ってくれた時に、「マッチマッチ、ベターザンナレオ…」って感情をそのまま言ってみたら通じて、とっても喜んでくれたの覚えています。
さて、ふたりのうちのひとり、マイラニ嬢がソロアルバム出しました。ジャケットを見ただけじゃ誰だかわかりませんでした。すっかり大人になったんですね。
今回取り上げた曲はフラ・ブームも意識したのか、“カ・ウルヴェヒ・オケカイ”“プア・リリレフア”などのフラっぽい曲が中心です。 とは言えですよ、そこは元ケアヒヴァイ、ただのフラ・アルバムにはしていません。まずはテクニカルなウクレレがイイです。合間、合間に上手いウクレレが入ると、グッとサウンドが若返る感じ。
さらに、キャシー・オルセンのスティール・ギターの哀愁や、スティーブ・ジョーンズのベースなど、安心のバック陣が彼女の旅立ちを盛り上げます。 もちろん、彼女のヴォーカルも、ケアヒヴァイの頃のウキウキさせる感じに加えて、“円熟味”っていうのとも違うんだけど、落ち着きと上手さが加わって、“メローなんだけど、ちょっとハイ”って気分にさせてくれます。なんかわかりますか? ダンサーはこの中の曲で踊ると、すごく新鮮な雰囲気が観客に伝わると思いますよ。例えば“~オケカイ”は速いし、軽いしでケ、イキにはおすすめ。絶対かわいいと思います。 ジャケットがデジパック3ツ折仕様で、中の写真もとっても綺麗ってのもポイント高いです。
ひとこと“アロハ”コラム
毎年恒例の横浜大桟橋のハワイ系イベント“アロハ・ヨコハマ”に今年も出展していました。今年はステージのまん前のブースを割り当てられたので、各ハラウのパフォーマンスをつぶさに見ることができて最高でした。特に印象に残ったのは、5日間の最後のステージで踊った80歳くらいの女性。「あっ、ジェノア・ケアヴェだっ」って0.5秒くらい思ってしまったほど素敵な女性。前列中央でイプヘケ持ってめちゃくちゃ楽しそうに踊っていました。 最近のステージはタヒチアンのパートが増えて、派手さが増してかっこいいけど、こんなステージ見るとホッとします。毎年最終日の帰りは少し寂しい気持ちで、MM地区のビルと海、それにオレンジから紫のグラデーションが綺麗な空を見ながらゆっくり歩いて帰ります。
あっ、僕はタヒチアンも大好きなので誤解しないで下さいね。って書くとちょっとエッチな人っぽいし…。まっいいか、エッチなんだから。