NAPUA MAKUA / MOHALU
ナプア・マクア / モハル
(ハワイ盤 35817)
この夏も多くのハワイ系イベントを観ましたが、ナプアとそのハラウによるステージは印象に残りました。日頃オペラやクラッシック系のコンサート中心の招聘会社が、フラダンサーやフラのファンだけではく、フラをカルチャーとしてもっともっと一般の人にも見て欲しいと企画したもので、私が見た横浜の会場は、いろいろな年代、いろいろな服装の方々で埋め尽くされ、普通のハワイ系イベントとはまた違う視線がステージに注がれているのがはっきり分かりました。終わった後もまだ明るくて、山下公園から吹き込む風も気持ちよくて、なんともいい午後でした。
ナプアはアコースティック系バックバンドを従えて、想像以上にソウルフルな歌声を響かせていたし、それに応えるハラウの踊りも複雑なフォーメーションで、見せ所たっぷり、迫力満点。さすが、のってるハラウは違いますね。彼女の代表曲「ラバクア」ではメリー・モナークでの熱演がそのまま再現され、ちょっと感動しました。
このステージで、最近結婚したとの報告があり、今後は名前がナプア・マクアだそうです。今回のCDからこれでいくそうなので皆さんもよろしく。小学生の娘さんが見事なフラを披露していたから再婚ってことですね。まぁいいですかね。
ナプアのお母さんはフル・リンジーというファルセット系の素晴らしい歌手なんですが、その娘だからやっぱり今回も歌がいいです。誰もが知っているフラ・ソングは外して、自分のオリジナルと渋めなトラディショナルナンバーと、友人が書き下ろした新曲で埋め尽くされた1枚。パラパライのふたりのコーラスをはじめ、ゴージャスなピアノを響かせるアーロン・サラ、スティール・ギターで時折切ないメロディーを入れるキャシー・オルセン、さらに9曲目ではデュエットも聞かせるケアリィ・レイシェル。こんなメンツを一気にスタジオに集められるのは、今はこの人だけでしょう。
前作の「ラバクア」に匹敵するバラードが今回もありました。4曲目の「アイア・アイ・リーハウ~」という曲で、ウクレレとギターのシンプルなバックでナプアはいつも以上にネイティブなハワイアンの雰囲気が素晴らしい曲です。
クムとして、ミュージシャンとして、まさに今、絶頂期に入った彼女の歌を聴いてください。こんな素晴らしくピュアなハワイの音楽を久しぶりに聴いた気がします。
ひとこと“ALOHA”コラム
先週の連休は「フェスティバル・ナ・ヒヴァヒヴァ・ハワイ 2010」が東京ドームに隣接するJCBホールで開催されました。その年のメリー・モナーク・フラ・フェスティバル上位入賞者と、同じくナ・ホク・ミュージック・フェスティバルの主な賞を獲得したミュージシャンが一同東京に集まり、パフォーマンスを披露するとというもの。
僕が行った日は、ナ・ホクでハワイアン・アルバム賞を受賞したウルヴェヒ・グウェレロと、ミス・アロハ・フラに輝いたマーヘアラニ・ミカ・ヒラオ・ソレムと、ジョニー・ラム・ホーのハラウから準ミス、テイシャ・レイ。さらに、チンキー・マホエのハラウからカネ・チーム、とどめはカムエラですよ。いやー豪華です。司会もメリー・モナークからキモ・カホアノさんが例年通り担当。ゆっくり座って、次から次への登場する世界一のレベルの踊りを見ているだけでいいんです。
ジョニー・ラム・ホーのハラウは急遽来なくなっちゃったけど、それじゃ申し訳ないってことなのか、ジョニーとバンドが総勢7~8人で演奏してくれました。同様にチンキー・マホエも3人編成のグループで演奏を披露。
このふたり、僕にとってはクムである前にミュージシャンで知ったから、こうして音楽家としてステージに立っていることがウソのよう。ものすごいオーラでしたね。こういうことはプログラムには載らないし、主催者もどんな風になるか100%はわかっていなくて、お任せ的な部分なんでしょうね。
途中ダンサーが調子が悪くなってステージから外れると、クムがさっとそこに入って踊ったり。当たり前だけどそれがまた上手い。こんなハプニングがこのイベントにはたくさんあるんですよ。これがハワイ。そこがナ・ヒヴァヒヴァ・ハワイの魅力なんですね。来年も絶対行きたいなぁ。
昼の部は12時からだから15時頃には終わって、水道橋から神保町あたりをぶらぶらして、17時くらいからいい感じの焼き鳥屋さん見つけて冷たいビール。夏の終わりの、いい休日が過ごせました。