フィーチャリング ネイサン・アウェアウ & ジェフ・ピーターソン
(国内盤 ALOC-20)
いやー、これすごいユニットですね。昨年ハパを離れたネイサン・アウェアウが選んだギタリストは、なんとジェフ・ピーターソンでした。ネイサンは凄腕のベーシストでもあり、ぶっとい声でハワイアンを歌うシンガーでもありってことで、ケアリ・カネアリーが抜けたハパをバリー・フラナガンとやってきました。一方のジェフ・ピーターソンは若手スラック・キー・ギターの名手として、ソロではグラミーにノミネートされる実力派。エイミー・ハナイアリイが好んで使うギタリストとしても有名です。二人とも毎年のように日本を訪れていたのでその実力はご存知の方も多いはずです。
ジャジーなプレイを得意とするふたり、このアルバムでも思い切りアレンジにこだわり、斬新なハワイアンを聴かせます。
あらゆるシーン、曲のイメージをギター1本で表現してしまう繊細なジェフのギターはこのアルバムでこそ生かされたように感じます。というのもネイサンのボーカルは、エモーショナルでソウルフル。この声でハワイアンを歌うから、ギターでハワイの雰囲気というのをしっかり出さないと、歌が台無しになってしまうんです。そこをジェフは十分理解していて、自分が弾き込むところと、さらっと伴奏に徹するところを弾きわけて、アルバム全体にスムーズな流れを作っています。
ちなみにグループ名の「MAMO=マモ」は、ハワイ語で子孫という意味だそうで、マウイ最後の王の子孫であるネイサン、パニオロの子孫というジェフが、ハワイアンであることへの誇りを持っていることが良くわかります。選ばれた曲のほとんどは「モキハナ・ララバイ」のようなトラディショナルだけど、ふたりの丁寧な演奏と熱を帯びた歌によってまったく違う曲として新しい印象で聴こえます。
こんなにすごいアルバムが出来上がるとは驚き。早くライブが見たいものです。
ひとこと“ALOHA”コラム
暑い夏もそろそろ終盤でしょうか? 夜もエアコンなしでいける日が増えてきました。僕は早くも秋の花粉症にやられています。ブタクサが原因だそうで、9月中旬まで飛ぶとのことでした。まったく、1年でそうしたストレスがない、ほんとに心地いい期間ってすごく短いんですね。
この夏はテレビ鑑賞が充実していたかなぁ。テレビ神奈川で再放送されている「傷だらけの天使」で昭和の雰囲気を懐かしく思い出したり、CXの「それでも、生きていく」では犯罪の加害者と被害者の家族の気持ちを少しだけ理解できました。それと海外ドラマ「glee」ではアメリカのエンタメワールドの奥深さを思い知らされています。