山内雄喜 : アロハ・マイ・フレンド、アラニ
(国内盤 ALOC-21)
僕の尊敬する山内雄喜さんは、朝から午後までは家業のこんにゃく店の主としての仕事、夕方から夜にかけては “アロハの仕事”、というスタイルを貫いた人でした。ハワイのミュージシャンの多くがそうであるように、ひとつの仕事で感じたストレスをもうひとつに仕事で解消する。そういうメリットもあったのではないでしょうかね。山内さんの作るところてんはめちゃくちゃ美味くて、僕は機会あるたびにご馳走になっていました。
そんな山内さんの新作、これは豪華ですよ。ボーカルにハパのネイサン・アウェアウ、バリー・フラナガン、パンダナスクラブのケネス・マクアカネ、さらにパラパライのケアオ・コスタまで、今一番いい歌聞かせるハワイのボーカリストを一堂にスタジオに集めて1曲ずつ丁寧に録音されています。
1曲目の “マイレ・スィング” はケアオが軽快に楽しく歌い、4曲目の “コーウラ” はネイサンが愛する土地(滝)を慈しむように切々と歌い上げます。6曲目“イコナ” をちょっぴりセクシーに歌うのはベテラン美人シンガー、イローナ・アーヴィン。この人、ジャワイアンやってた人ですけどハスキーボイスですごくいいです。これらボーカル曲の合間に山内さんの美しいスラッキーとスティールのインストナンバーが挟まれるようにアルバムは静かに進みます。なんともセンスのいいアルバム。アロハ・サウンドからのリリースですが、前回のマモといい、今回のアルバムといい、録音がとても良くて、音がすごく澄んでいます。できればいいステレオで聴いて欲しいものです。
ひとこと“ALOHA”コラム
僕が勤めるタワーレコードがある桜木町駅前のコレットマーレのエントランスには、最近マラサダのワゴンカーが出ています。一個\150ですが、その場で食べて、もうひとつお土産にする人多いです。コレットマーレの1階にあるハワイアン・ダイニング“マノア”(店名が気が利いています)のシェフが運営しているので味はお墨付き。僕も時々頂いています。ホノカア・ボーイで有名になったこのドーナツ、揚げたてを出してくれるのも嬉しいです。