ナタリー・アイ・カマウウ / ア
(ハワイ盤 KRI-1111)
オアフの名門、ハラウ・フラ・オラナ率いるオラナ・アイの長女として生まれ、ミス・アロハ・フラも受賞したナタリー・アイ。彼女のもうひとつのでっかい才能は音楽でした。
若い頃はサンランドという名のポップ・グループでCDを出し活躍。その後2005年にソロ・デビュー・アルバム、”エ” を、2009年には ”イ” をリリース。どちらも国内盤がビクターからリリースされ、ハワイアンとしては異例のヒットとなりました。
私は “エ” が出るとき、レコード会社に頼んでアルバムの解説を書かせてもらったくらい大好きなアーチストです。ハッキリとしたクリアな声質と抜群の安定感ある歌いっぷりは唯一無比、現在ハワイで最強のボーカリスと断言できます。
さて今回のアルバム、タイトルはいつもどおりの一文字、今回は “ア” 。 中身はビックリするくらいのハワイアンオンリーのアルバムです。ジャワイアン風が1曲あるとか、タヒチアンやってるとか、そういう面倒なことはやらない。とにかくハワイアンひとすじなアルバムです。
1曲目はフラで人気の “ハナレイ・ムーン”。多くのダンサーが好んで踊るこの名曲をナタリーらしいメローなアレンジで仕上げていて素敵です。2曲目は男性ダンサーが良く踊る “ファイヤーマンズ・フラ”、女性が歌うのをはじめて聴きましたが、ナタリーの声がよく合っています。他にも故郷オアフを称えた“ナニ・ワレ・オオフ”や面白いところで、スティーヴィー・ワンダーの “ステイ・ゴールド” もいい出来でした。
ハワイではCDのリリースが少なくなってしまっていますが、こうやって力のあるアーチストがいいアルバムを出してくれるとなんかホッとしてしまいます。いろいろなことが少しづつ正常になっているのかな? と思わせるし、何より、ピュアなハワイアン音楽は人を元気にします。ハワイ行きたいなって思わせます。
最後にバックのメンツをご紹介しましょう。スティールギターはケイシー・オルセン、ウクレレがブライアン・タレンティーノ、ピアノがアーロン・J・サラという、今ハワイアンで最も売れるCDを作る名ミュージシャンが、彼女の一言でスタジオの集まるあたり、さすが大物です。
ひとこと“ALOHA”コラム
うちの隣は小さな製麺工場なんです。工場といっても一軒家で、おじさんとおばさんがラーメン、うどん、日本そばを作っています。小売もしてくれるんだけど、お休みの日は必ずどれかひとつは必ず食べます。冬はラーメンが多いです。麺とスープのセットで95円。野菜を炒めて乗せるとほぼラーメン屋さんと同じようなラーメンになります。特にこの季節、食べるときは暖房を止めて、ラーメンで体がだんだんあったまってくる感じを楽しみます。おじさんは朝6時くらいから夜9時くらいまで働いていて大変そう。仕事から帰ってくるときにおじさんの顔が見えると安心します。おじさんのラーメンをいつまでも食べたいから、今日も美味しくラーメンが食べられたことに感謝しながら食べます。 マハロ!ラーメン。