ウェルドン・ケカウオハ
~ピリ・アロハ~
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ケアリイ・レイシェルが新譜をなかなか出さないここ数年の間に、一気にダンサーに注目されたのがウェルドンです。かつてナホク賞も獲ったハワイアン・レゲエが得意のマナオ・カンパニーで人気を博した後、ソロ3作目の“カ・レフア・ウラ”が日本でも大ヒット。この中の“カ・マカニ・カ・イリ・アロハ”は今ダンサーが今一番踊ってみたい曲と言っていいんじゃないでしょうか?
この人はケアリイやウルヴェヒさんのようにウルトラ級の美声ってわけでもないし、というか歌は上手い方じゃない。でもその素朴な歌いっぷりが、特にバラードでは心に染みこむ深みを生み出し人の心を打ちます。
そんな彼も毎年数回、日本へのツアーもあったりで忙しくしていたのか、本作は5年ぶりのリリースとなりました。今回も前作の延長線上にあるフラダンサーにぴったりの仕上がり。大勢で踊ったら楽しそうなアップテンポの4曲目“レイアロハ・レイオナオナ”、7曲目“カ・マウイ”がいい感じ。ミディアムでは“ホーナネア”もダンス向き。
ホイケの終盤、ソロに良さそうなのが2曲目の“アロハノ”と8曲目の“アイア・カ・ラ・イカ・ウイキ”。ちょうどアップの曲とスローの曲が交互に入った構成も川の流れのようで心地いい。
この人ほどハワイアンらしいハワイアンをやる人は今ほかに見当たりません。いいおじさんだけど、ピュアな心でハワイの心と大自然を朗朗と歌う。5年のブランクは無駄じゃなかった。なんだかマウイの夕暮れの風に吹かれたくなりました。ラハイナ、オン・マイ・マインド!って気分の1枚でもあります。
ひとこと“ALOHA”コラム
赴任先の岐阜から我が家のある横浜は意外に近いんです。名古屋までだいたい45分、名古屋から新横浜は1時間20分ですから、ドアトゥドアで3時間ちょっとかな。夏場、鎌倉の海から横浜までこのくらいかかることはよくあることですからね。なので月に1、2回は帰っています。先日遅ればせながら、みなとみらいのワールドポーターズの1階にできたハワイアン・タウンへ行ってきました。夏も終わったというのにすごい賑わいでびっくり。やっぱり横浜はハワイなんだなぁとつくづく感心。 岐阜では“岐阜の山”という本を買ったりして、県内の山を登りつくす覚悟でエンジョイしている私ですが、横浜から岐阜へ戻るときはいつも切なくなる自分もいます。