コラムコラム

第113回 どこまでも激しくロックなウクレレ

2015.01.29 ハワイアンCD
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タイマネ・ガードナー
ウクレレ・ダンス
(国内解説付盤 LEIR-0121)
渋谷のタワーレコードで、ハワイアン、しかも冬としては異例の大展開しているのがタイマネ・ガードナー。しかもプロモーションビデオまで流れています。これには僕もびっくり。数年前、天才ウクレレ奏者としてワイドショーで取り上げられて話題になった後もジェイクに師事し、アルバムも出さずウクレレの腕を磨いてきました。
最近のジェイクが速弾きよりも感情を抑えて内面の深いところを表現するようなプレイに傾倒している今、この女性は逆に感情剥き出しの激しい演奏に自分の価値を見出したようで、なんともとても新鮮に耳に飛び込んできます。ちょっと前に “2チェロズ” というチェロ2台でロックをガンガンに演奏するデュオがヒットしたけど、方向は同じかも。
ウクレレというサイズも音域もミニマムな楽器でどこまで表現できるのか? というテーマに挑んでいるかのような演奏と表情。若いころのジェイクもこんな感じあったけど、もっともっとシンプルで激しい。
1曲目からラストまで勢いよく弾きまくるけど、レッド・ツェッペリンの“天国への階段”ではアグレッシプな中にも心優しく、周りの人々への感謝や尊敬の念みたいなものまで感じ取れてしまったのは私の考え過ぎでしょうか? まだ若い彼女はこのまま弾いて弾いて弾きまくって欲しいです。
DVDがセットで付いていて、演奏するロックな姿、そして合間に見せるまだあどけなさの残る表情、若くして話題になってしまい、その後もいろいろあったはずだけど、今が充実していることがよく伝わってきてうれしい。

 

ひとこと“ALOHA”コラム

今回のタイマネ・ガードナーがこの方向に行ったのは驚きでした。女性だし、速弾きも、ある程度マスターして演奏すると飽きてくるような人が多いから。でも彼女はハワイアンをやっているという意識よりも、楽器がたまたまウクレレだったということなのかもしれませんね。いずれにしてもウクレレでここまでできるという意味で、いろいろな人に聴いて欲しい1枚ということでご紹介させていただきました!