私のクム、ナラニ・ケアレが教える日本のハラウはモアニ・ケアラ・オ・カウラカヒといい、代表は栗原満寿美さんが務めているのですが、私が所属するハワイ側ハラウ、カウラカヒとは親しく交流しあう仲です。
以前、満寿美さんがハワイにいる時に彼女のバースデー・パーティを企画したことがあり、そのお返しにと、満寿美さんがなんと4泊6日の日本ツアーを企画してくださいました。日本で1晩だけのショーに出ること、飛行機代の自己負担と引き換えに、日本滞在中のすべてのアテンドを満寿美さんたち日本側ハラウが引き受けてくれたのです。
そこで私たち一行10人――クムとヘアメイクアップ・アーチストのアーサー、そして私を含む8人のフラ・シスター&ブラザーは大騒ぎで成田空港に到着しました。昨年12月初旬のことです。
今思い出しても楽しかったさまざまな思い出が走馬灯のように蘇ってくる日本ツアー。今回は、ハワイアンたちの日本滞在をお話しさせてください。
前述の通り、日本に向ったのは私たち一行10名。もちろん私は日本人ですから、彼らの通訳兼なんでも係をおおせつかっています。しかし、成田へ到着してみれば、満寿美さんがバスで迎えてくれ、そのまま日光へ。メンバーの一人の「どうしても雪が見てみたい!」というたっての希望にこたえてのことでした。
残念ながら、昨年冬は暖冬で、雪を見ることはかないませんでしたが、紅葉で着飾った山々に日本情緒がたっぷりの温泉宿、四季を取り入れたおいしい懐石料理。その素晴らしさを十分に堪能しました。
大変だったのは、ハラウのみんなからの質問攻め。満寿美さんと二人で、髪と体を最初に洗ってから入ること、タオルや髪の毛が湯船に入らないように気をつけるなど、温泉の入り方を詳しく説明しました。翌朝も、早朝に目覚めてさっそく朝風呂です。
カウラカヒ御一行の2日目は、日光サル軍団に通訳付ツアーで日光東照宮を拝観。ランチは、クムが奮発して日光金谷ホテルのビーフシチューをおごってくれました。お肉がとろけて、美味しかった。
深夜の散歩、浅草寺で全員集合!みんな元気。そこから一路、バスで浅草へ向ったわけですが、途中の休憩所でもまたホットドックや本場の餃子にジャガイモ、とうもろこし。お腹を壊さなければ良いな思いつつ、やっぱり日本のものは美味しいと、たっぷり食べてしまいました。
私は仕事柄、ハワイの美味しいものは? とよく聞かれますが、日本ほど美味しいものは、ないと思います。もちろんハワイアンフードのポケやポイ、マンゴやパパイヤなどの南国の果物は確かにおいしいですが、日本の味は繊細で、素材にこだわっている点でもすばらしいと思います。夜7時ホテル到着。そして、夕食は夜景が奇麗でロマンチックな最上階の中華レストランだったのですが、すでに食べ過ぎの我々、皆お腹一杯のはずなのに美味しい料理というのは恐ろしい! 食べてしまいました。
その後、腹ごなしをかねて皆で浅草寺に散策へ。マフラーに手袋、冬服を着込んだハワイアンたち。不思議な時間でした。時刻はすでに午前12時を回っています。でもみんな元気!テンションが高いものですから、またも皆からの質問攻撃を受けました。
面白かったのは、クムが「何でお地蔵様は赤い前掛けを着けているの? なぜ赤なの?」という質問。赤は体を守る色だと聞き、クムに伝えました。それにしても、彼らの視点が面白く、私にとっても勉強になりました。
さて3日目は、このツアーのメインイベント、いよいよショーのリハーサルです。ここでは満寿美さんのハラウ、モアニ・ケアラ・オ・カウラカヒのフラ・シスターたちと再会です。リハーサルを終えた後、プレゼント交換などをして、再会を喜び合いました。
翌日の本番では、実は私は体調を崩してしまい、栄養剤を3本飲んでショーに臨みましたが、とてもアットホームで楽しいショーでした。日本のフラ・シスターたちは、本当に踊りがうまいと思いました。
ショーが終わってしまうと、もう翌日は最終日です。原宿でのお買物、東京湾に面したホテルでのランチ、雪が見られなかった代わりにと、満寿美さんが気を利かせて立ち寄ってくれたお台場のショッピングセンターで雪が降るような様子を見せていただき、ハラウのメンバーは心から日本滞在を満喫して帰国の途につきました。
約1年間、楽しみにしていたツアーだったけど、終わってしまうのはとても早かったです。心使いいっぱいで、いたれりつくせり、もう感激でした。あらためて日本人のきめ細やかなホスピタリティーに感動しました。とても良い経験をさせて頂きありがとうございました。