
ジェームズ・ミッチェナー原作のミュージカル「南太平洋物語」の舞台モデルとなった場所はタヒチのモーレア島だ。
ゴーギャンが「古城のようだ」と表現したモーレア島は、とがった山々が連なりエメラルド・グリーンの美しいリーフに囲まれ緑が深く、物語の中に登場する‘伝説の島バリハイ’のイメージにぴったりだ。
特にバリハイといわれている‘モウアロア山’の姿は島のあらゆるところから見ることができる。
「南太平洋物語」は1958年にハリウッドで映画化され『南太平洋』というタイトルで上映された。
そして撮影場所になったのはモーレア島を彷彿させる風景をもったハワイのカウアイ島北海岸のハナレイ、ルマハイ、ハエナの各ビーチとプリンスヴィルだ。
映画の中でフランス人の農園主が住んでいた丘(プリンスヴィル)からハナレイ湾を見る風景は素晴らしく幻想的で僕の大好きな風景だ。この場所は以前ハナレイ・プランテーション・ホテルがあった場所だ。
彼方に見える尖った山(マクア山)は今では映画の中に登場するバリハイと呼ばれている。
僕はこの風景を見たくてカウアイ島に滞在するときはいつもプリンスヴィルに宿泊する。
そしてサンセット・タイムはハナレイベイ・ホテルにある‘バリハイ・レストラン’をリザーブしバリハイに沈む夕日を眺めながらディナーを楽しむ。
フルムーンの夜は名曲‘バリハイ’の旋律が頭の中をよぎる。
幻想的なメロディーは風景と一体化して僕を『南太平洋』の世界へと導いてくれる。
『Hale Hanalei』(ハレ・ハナレイ)とタイトルをつけた絵の意味はズバリ、ハナレイの家という意味で僕の理想の場所に架空の家を建ててみた。
ハナレイ湾の彼方に見えるバリハイにかかるフルムーン。
ベッドでくつろぐフラガールの脇には愛用のイプヘケが置いてある。
セクシー・ピンクと呼ばれているヘレコニアがフラガールの美しさをさらに引き立たせている。ジェームズ・ミッチェナーもこのようなイメージを抱いていたのだろうか。
僕はこれから幾度となくこの場所を訪れこの大好きな風景を心にとどめてキャンバスに描いていこうと思っている。