コラムコラム

第3回 ワイルアの月

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カウアイ島東海岸のワイルア川河口にオールド・ハワイの雰囲気をもった‘Coco Palms’(ココ・パームス)ホテルがあった。
1961年に公開された映画『ブルー・ハワイ』の中で主人公のチャド(エルビス・プレスリー)がハワイアン・ウエディングを挙げて一躍世界的に有名になったホテルだ。
ヤシの木に囲まれた美しいラグーンを新郎、新婦がトロピカルフラワーで飾り付けられたカヌーに乗りチャペルまで行くシーンはとても印象的だ。曲もちろんハワイアン・ウエディングソング(Ke Kali Nei Au)だ。
ココ・パームスのポスターやポストカードもプレスリーのハワイアン・ウエディングのシーンの写真が使用されていて式を控えたカップルの憧れの的となった。
しかし1992年のハリケーン・イニキの襲来で壊滅的なダメージを受けて以来ホテルは閉鎖されたままだが、2009年には再オープンと聞いているがはたして工事の進み具合はどうなのだろうか。この美しいヤシ群がラグーンの水面に映る様子は僕の大好きな光景なので再びこの目で見るのを楽しみにしている。
映画はDVD化されているので在りし日のココ・パームスを見ることができる。
僕はこのコレクターズアイテムになっているホテルのいろいろなグッズも収集している。
マッチ、メニュー、パンフレット・・・そして数々のポストカード。
古い時代のポストカードの写真の雰囲気は、まさに僕が求めている古き良きハワイのイメージそのものであり、これらのポストカードに触発されてココ・パームスをテーマにした絵を何枚も描いてきた。
今回の絵はその中の1枚でココ・パームスホテルの中心にあるラグーンとヤシ林をモチーフにしてオールド・ハワイの雰囲気を表現してみた。
タイトルは‘Wailua Moon’(ワイルア・ムーン)。

僕はこの絵に出逢った方々が僕が絵を描くときのコンセプトでもある‘ゆったりとしたハワイアンソングが聴こえてきそうな’を感じてくれてオールド・ハワイの雰囲気をかみしめてくれたらと思う。