ナニ・ワイレレ(Nani Wailele)とはハワイ語で美しい滝という意味だ。
ハワイ諸島の東側は湿った涼しい貿易風が山肌にあたり雲を作り雨を降らせる。
湿気を落とした貿易風は爽やかな風になって山を越えて西側に心地よい風を送り込む。
よってハワイ諸島のリゾート地は晴天が多く爽やかな西側に多く作られている。
雨の多い島の東側は熱帯ジャングルが形成され山に降った雨はいくつもの川と滝を造り出している。僕はこの熱帯ジャングルの中から滝が流れ落ちる姿が好きでビッグアイランドのハマクア・コーストやマウイ島のハナなどを訪れている。
ナヌエ・フォールズ、ウマウマ・フォールズ、ヒイラヴェ・フォールズなど名のある滝も美しいがよく見ると名の無い小さな滝も無数に点在している。
ナニ・ワイレレはマウイ島ハナにあるワイルア・フォールズをイメージした絵だ。
カフルイから36号線‘ハナ・ハイウェイ’を走るハナまでの道のりにも熱帯ジャングルの中に滝をいくつも見ることができる。そしてハナの町からキパフル方面に車を走らせジャングルが深くなる場所にこのワイルア・フォールズは位置する。
古い橋から見ることができるワイルア・フォールズの姿は美しくハワイの滝の中でも僕の最も好きな滝だ。滝の周りにはパンの木、ティ・リーフ、ククイ、ジンジャーなどトロピカル植物が配置されていてまるで絵のような景観だ。
さらに車を進ませるとオヘオ・プール(7つの聖なる池)という古代ハワイアンが禊をしたと言われている場所がある。上流から次々といくつもの滝が流れ落ち滝壺に池を造り出している姿はハワイという場所の自然の豊富さをあらためて実感させられる。
ハワイの島々には数えきれないくらいの滝が存在していると聞く。
僕が今までに見て写真に撮った滝だけでも50くらいはあると思うがそれはほんの一部にすぎない。熱帯ジャングルの中に流れ落ちる滝の光景は僕にとっては夢のような感覚だ。
日本人にとって滝は古代から神聖な場所であり僕が滝に惹かれるのは日本人のDNAなのだろうか。いつもDe・Ja vuを感じている。