コラムコラム

第13回 Enchanted Moorea

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南太平洋の大海原に点在するソサエティー諸島(タヒチ)の中の一つの島であるモーレア島。美しいエメラルド・グリーンのラグーンに囲まれた緑深い山々を持つその島の奥深く入り込んだ美しい湾が二つある。

クック湾とオプノフ湾だ。
僕が以前からタヒチの中で訪れたかったのがフレンチ・ポリネシアで最も美しい場所といわれているモーレア島のクック湾だった。
1000メートル級の切り立った山々に囲まれたサンゴ礁の美しい湾にたたずむと思わず息を飲む美しさを実感する。

写真でしか見たことがなかった風景と実際に出逢った時の感動は言葉にはならないといような経験は誰にでもいくつかはあると思う。
僕は写真撮影と絵の題材を求めイメージを膨らませるためにこの場所に何度も訪れた。
そして描いたのが‘Enchanted Moorea’(魅惑のモーレア)だ。

以前からぜひ描いてみたかった場所が映画‘南太平洋’の舞台になったモーレア島のバリハイとそのバリハイを遠くに眺めるクック湾だった。
映画の中のエキゾティックなイメージを頭に浮かべながら実際にクック湾の岸辺にたたずみこの絵の構想を考えていったのだった。

そしてタヒチといえばゴーギャン。
タヒチでお土産として売られているチョコレート、紅茶、コーヒー、クッキーなど何にでもゴーギャンの絵をパッケージに使用している。
タヒチで数多く売られているパレオもゴーギャンの絵をモチーフにしているものが多い。
まさにタヒチはゴーギャンの島と言っても過言ではない。

ゴーギャンの絵(特に色使い)が好きな僕はやはりパレオ姿のタヒチの女性も描いてみた。
湾の奥には大航海時代を思わせる帆船。そのはるか奥にそびえる尖った山がバリハイだ。この絵(‘Enchanted Moorea’)は日中の時間帯を描いているが、一日のどの時間帯をとってもその瞬間は素晴らしいものに違いはないと思う。
次回はサンライズ、月夜、サンセットも描いてみようと思っている。

多くのアーティストが魅了されるタヒチの島々
なぜ人々はタヒチに惹かれるのか? このクック湾から望む日常で無い風景を見ているとわかるような気がした。そしてこの風景はタヒチアン・パワーとして僕に創作意欲を与えてくれる。
ヒロクメなりの‘タヒチ’を創作していくつもりだ。