オアフ島東海岸は雨が多い影響で緑が濃く、風雨により浸食されたコオラウ山脈の切り立った山肌は子供の頃に恐竜図鑑で見た太古の地球のようで印象的だ。
パリ・ハイウェイやリケリケ・ハイウェイをドライブしたときに見られる目の前に迫って来る山々の風景にはいつも圧倒されてしまう。
この山々を背にした東海岸には白砂の美しいビーチが点在している。
特にカイルア・ビーチ・パークは駐車場も広く、多くのローカルや観光客が集まってくる。
今回の絵の舞台になっているのはカイルアの町から車を走らせてビーチに出るワンブロック手前に突然目の前に現れる古いショップ‘カラパヴァイ・マーケット’(Kalapawai Market)だ。
創業は1932年というダークグリーンに塗られたその姿はオールドハワイの雰囲気をかもしだしている。僕も好きな場所の一つで以前からよくカメラにも収めてきた。
カイルア・ビーチの手前にあるためカラパヴァイ・マーケットはビーチに行く人達がサンドウィッチや飲み物を調達する有名店だ。
このマーケットの店名は、現在の観光の地図には記載されていないがこの辺りの地名をカラパヴァイと呼ぶことに由来する。
余談になるがクムフラのチンキー・マホエの祖先の故郷がカラパヴァイなのでの彼のアルバムにもこのタイトルがつけられている。カラパヴァイを想い歌った美しいバラード‘Klapawai Ku’u Home Aloha’という曲も収められて歌詞カードのイメージ写真はカラパヴァイ・マーケットが使用されている。
‘Kalapawai’はカラパヴァイ・マーケットの午後のひとときを表現してみた。
雲ひとつ無い真っ青な空にエンジェルトランペットの花。
北海岸からの波乗り帰りのピックアップトラックにはサーフボードが積まれている。
自転車でドリンクを買いに来た子供……など色々想像しながら描いてみた。
以前からカイルア、カネオヘ、カハルウなど東海岸一帯はオアフ島に来ると必ず訪れる僕のお気に入りの場所だ。美しい海と深い緑、切り立った山々は僕にとってもっともハワイらしい風景のひとつである。