マウナケアに雪が降りました。ハワイ時間の7月17日(金)、早朝のことです。雪の女神ポリアフが住むマウナケアは、冬には一面が雪で覆われ、とても幻想的な景色を見ることができます。1年中暑いハワイなのに雪。ハワイの自然の偉大さ、奥深さを感じます。しかし、今回はそれが真夏の7月に起きたのですから、これはもう、まさに「神がかった」現象と言えるでしょう。
6月24日の2度目の逮捕劇を受け、TMTの建設は現在も中断されたままです。しかし、7月14日(火)に、デービッド・イゲ州知事はマウナケアに関する緊急措置法に署名しました。この新しい法は、マウナケアの山頂付近への一般人の立ち入りを禁じ、持ち物、滞在時間などに規制をもたらします。これは、マウナケアに寝泊まりしたり、毎日通って開発反対運動をする人たちを「法」によって正当に抑圧、もしくは排除するために取り決められました。
一度法律化してしまえば、どんなに倫理や感情に訴えるもっともなことを言っても、公の制度に敵うことなどありません。まだ最高裁によるTMTの建設の妥当性には結論が出ていません。しかし、着々と建設再開の段取りが組まれているような印象を受けた、まさにその時です。真夏のハワイの空に、雪が舞ったのです。
抗議団体による封鎖ではなく、真夏の雪によって、山頂へ続く道路は通行止めになりました。工事車両も一切入れません。マウナケアで抗議活動を続ける人たちだけではなく、ハワイ中のTMTに反対している人が、この奇跡のような美しい出来事を、「天からの声」として受け止めました。きっと、州知事やTMT建設者側も、この神聖な現象に息を飲んだことでしょう。
今TMTの建設に反対している人たちは、「ハワイが好きだから」「フラが好きだから」「自然が好きだから」「開発に反対だから」「マウナケアは先祖だから」など、それぞれの理由を胸に抱え、それぞれに可能な範囲で意見を表示し、行動しています。その一人一人の気持ちを雪の女神ポリアフはすべて受け止め、その返事として「真夏の雪」を降らせ、彼女の存在を確かに示したのでしょう。