コラムコラム

ナタリー・アイ・カマウウ 『ラ・ラ・ラ・ラ』

2015.08.27 ハワイアンCD
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ナタリー・アイ・カマウウ

『ラ・ラ・ラ・ラ』

(ハワイ盤 KR1106) C_ナタリー

 

ナタリー・アイ・カマウウという人は、フラと音楽、両方の才能を開花させ成功させた稀有なアーチストだと思います。オアフの名門、ハーラウ・フラ・オラナを率いるクムフラ、オラナ・アイとハワード・アイの長女として生まれ、ミス・アロハ・フラに輝いたのが1990年。

実は彼女、サンランドというハワイのポップ・グループでもCDをリリースした経歴の持つほどのミュージシャン。だから彼女はフラの指導と並行して音楽活動も本格的に継続するのは当然のこと。今まで3枚のオリジナルアルバムを出していますが、すべてナホク・ハノハノ・アワードの最優秀ヴォーカリスト賞を獲得しています。私は各アルバムが発売されるたびに、最優秀アルバムを獲ってもいいのでは思っていました。

さて、今回のアルバムですが、タイトルの「ラ・ラ・ラ・ラ」からくるイメージやジャケットの感じと少し違って、落ち着いた曲が中心の穏やかなアルバムになっています。僕は彼女のバラードが大好きなので、この雰囲気が気に入っています。1本の生ギターの伴奏で祈るように歌う1曲目の荘厳な雰囲気。シングルにもなった「シャワートゥリー」は明るさの中に感傷的な印象も受ける1曲。ダンサーには唯一アップテンポの「クゥ・スウィーティー」と、ゴージャスなピアノが素敵な「レイ・ナニ」がおすすめ。僕はナタリーがいつになく切なく歌い上げる「ホーイポ・イ・カ・マラナイ」と、ヴァイオリンを効果的に使った「ワイメア・イ・カ・ライ」がまさに秋のイメージで気に入りました。

太陽のように輝くヴォーカルがウリのナタリーですが、こんなバラード中心のアルバムを出したのは嬉しいです。彼女はハワイアンではあるけれど、シンガーソングライター的な才能もある人なのでもっと自由に歌ってほしいと思っていたから。これからの季節、ホッと一息つきたい時に聴いてみてください。

 

ひとこと“ALOHA”コラム

秋の気配。ビールも秋テイストのものが発売されるこの季節が大好きです。今回のナタリーは真夏に発売されたものの、内容は秋仕様。しっとりとした曲が中心です。車で勤務先に通うようになってから、CDチェンジャーにはサンタナやスティーブ・ミラー・バンドとか夏のアルバムが入っていて繰り返し聴いていたので、これから秋の音楽をセレクトして中身変更します。でも、今の人はiPhoneを接続して音楽を聴く人が多いから、CDチェンジャーに何枚もセットして聴いているのは私だけなんでしょうか? と不安になりました。