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<Spray Chrysanthemum スプレーギク>
さあ、ではスプレーギクをどんなレイにしていくのか、、、
このスプレーギクは花の形や大きさによっていろいろなレイに出来ます。 糸に通したり、編んだり、と使える範囲はとても広く、今が旬ですが年間通して手に入りますのでどの季節でもスプレーギクのレイは作れます。 日本にあるスプレーギクは国産のもの、そして輸入しているものもあります。
糸に通していくレイ、クイポロレイ(まっすぐ縫う の意)はシンプルでとてもきれいなレイが仕上がります。 菊の色、花の形によって仕上がったレイが全く違うものに見えるのもとても素敵です。
私はスプレーギクでクイポロレイを作る時、ほとんどの場合でグラデーションのレイを作ります。
ハワイではレイを作る時にはお花を山に摘みに行ったり、お花の咲いているところへ分けてもらいに行きます。 ですので大きく開いたお花を選んで摘んでくれば良いのですが、日本ではそれができません。 日本でレイを作る時には花屋さんでお花を買って作るのがほとんどだと思います。
そこで私が思ったこと、、、 『大きな花しか使わなかったら小さなお花も無駄になってしまうし、とにかくお花の本数がどれだけいるんだろう…』 お花は日本では決して安いものではありませんし、何より無駄なお花が多く出ることがとても嫌でした。
そこで考えたのが‘グラデーションレイ’。 切ったお花を小、中、大、と3つのグループに分け、小さなお花から中くらいへ、大きい花を一番目立つ真ん中にしてまた中くらいへ、そして小さい花で終わる、レイ、これがグラデーションレイです。 ハワイではこのグラデーションレイは見ることはないと思います。 このレイを作った時にクムにお見せし、そして花を無駄にしたいくないのでグラデーションに工夫したことを伝えました。 クムは『ハワイではどんな命も無駄にしないのよ、それがハワイアンの考え方、このレイはそのハワイアンの考え方に沿ったレイ、これでいいのよ』と言っていただきました。 見た目が違ってもそこにある思いがハワイアンの思いであればそれで良い、と大きな学びをいただいたレイがこのスプレーギクのグラデーションレイです。
いつまでもこのクムの言葉と共に私の基本になっているのがこのグラデーションのスプレーギクのレイ、こんなストーリーが、思いが、このスプレーギクのレイに込められています。
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最後にひとつだけ、、、
どんなに歴史を振り返って菊のことをリサーチして正しく理解しても、やはり菊はお墓や死を連想してしまうこともあるかと思います。 一生懸命心をこめて作るレイ、プレゼントにする時にはさしあげる相手に不快な思いのないようにきちんと説明をしてお渡ししたり、とそんな心遣いがあると良いかと思います。
スプレーギク
キク科 キク属(クリサンセマム属)
英名:Spray Chrysanthemum
原産地:中国