<Hyacinth ヒヤシンス>

前回に続き、ヒヤシンスで作るレイをご紹介します。
日本には四季があります、と以前にもお話ししましたが、今回は少しだけ春のお花の話をしたいと思います。 日本で春に代表的な花はもちろん‘桜’ですよね。 木々がピンク色に染まるあの景色は、毎年同じでも毎年息をのみ、『今年もきれいに咲く桜が見られて良かった』といつも思います。満開の桜を見られるのは小さな私のしあわせです。 そして花で四季を感じられることはとても素敵なことだと思っています。
春に咲く花……といえば、連載3回と4回でご紹介したストックがあります。そしてこのヒヤシンスもまさに春。また、チューリップやムスカリ、水仙、フリージア、ラナンキュラス、菜の花、サクラソウ、マーガレット、ミモザ、モクレン、そしてカーネーションも本来は春咲きのものです。 もちろんまだまだたくさんありますが、春には多くのきれいな香りのよい花が咲きます。
そんなヒヤシンスは、大きな1本の茎に小さなお花がたくさんついています。 花それぞれにはほんの短い何ミリかの小さい茎しか付いていませんので、それぞれの花を使って編んでいくのには向きません。 でも大きな茎の1本から同じくらいのサイズのお花が取れるので、Kui (クイ)、針、レイニードルを使って糸に通してレイを作るのが良いと思います。
シンプルなKui Pololei (クイ ポロレイ)、まっすぐに花をつないでいく技法、とてもきれいだと思います。 このクイポロレイ、ただつなぐだけだから簡単! と思うかもしれませんが……まっすぐつなぐ、というのがと難しいんですよ。 ヒヤシンスは花が小さいので、慣れるまでは特に大変です(笑) 。
自然に咲く花は、すこーし曲がっていたり、すこーし横を向いて咲いていたり、とそれぞれ個性が豊かです。 そのお花をまっすぐにレイに仕上げる、これには練習が必要です。 でも、練習を重ねるとだんだんとまっすぐに、きれいにレイがつなげられるようになっていきます。
そして最初は、『うーん、このお花は曲がっていて扱うのが大変だなぁ』と思っていても、回を重ねて慣れていけばいくほど、『あら、この花はちょっと向きが違う、では少しこちら向きに針をさしてみましょう』と、きちんとそれぞれの花を見ながら、まっすぐのレイが仕上がるように工夫できるようになっていきます。 これがレイメーカーの技量だと思っています。
ヒヤシンス (学名:Hyacinthus orentalis)
ユリ科 ヒヤシンス属
英名:Hyacinth
原産地:地中海沿岸
<レイ制作についてのお問い合わせ>
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