カネコア
『テイルズ・オブ・ザ・フルーツスタンド・ミスティック』
(ハワイ盤)

僕はあまり熱心なハワイアン・レゲエのリスナーではないのですが、ときどきピピッとくるアーチストがいます。今回のカネコアもそのひとつ。大リーグで活躍するピッチャーでカネコア・テシェイラの覆面バンドかな? ありえるなーって思ってハワイからCD取り寄せたらまったく別人でした。
こちらはカウラナ・カネコア率いる4人組。リードウクレレのデニスがとにかくメチャクチャウクレレ上手くて、そこにカネコアのリズミックなウクレレとハスキーなボーカルが乗るというスタイルなんですが、彼らは『ハワイのグレイトフルデッド』と評されたりもするみたいです。グレイトフルデットと言えば、70‘サイケデリックサウンドで有名な伝説のバンドなんですが、確かにギターやウクレレが宙を飛び回るとっても自由で心地よい曲もありました。このあたりが他のバンドと違うところ。でも他の曲は1曲目から軽快なレゲエサウンドでテンション上がります。カネコアの歌はベースにR&Bがあるのか、とてもソウルフルでいい具合に重くもあり、こころに響きます。ハワイアン・レゲエは正直どのバンドも似ていることが多いから敬遠がちだけど、よくチェックしているとこんなバンドにも巡り合える。
ラストはイーグルスのホテルカリフォルニアに収められていた「ラストリゾート」で終わり。儚いアメリカの夢や希望そして喪失感を歌ったこの曲は今のハワイにオーヴァーラップさせてみたりしたのかな。きっと彼らが今歌いたい「気分」を代弁している曲なんだろうな…と思って聴いています。明るい曲もどこか切なくてこの季節に合う気がします。
ひとこと“ALOHA”コラム
究極に寒い日々ですね。でも空は綺麗だし、僕の家の裏山からは綺麗な富士山が朝も夕方も見ることができます。今日ご紹介したカネコアは不思議と冬が合うレゲエバンドでした。今日、早速ウォークマンに入れていつもの富士山&夕陽撮影に出かけてみたいと思います。