Blaine Kamalani Kia & Kalei Kahalewai (Kamanawa)
ブレイン・キア & カレイ・カハレヴァイ
『マカワル』
(ハワイ盤)

フラ・ハラウのザ・レイディース・オブ・ハラウ・カヴァイカヘラニマーリエ・アンド・ザ・メン・オブ・ハラウ・カフラリヴァイを率いながら、セシリオ&カポノのマネージメントをするなど音楽ビジネスにも精通、さらには俳優としてのキャリアも持つマルチタレント、ブレイン・キア。そしてもう一人、元カーラ・ボーイズのカレイが2008年に出合い結成されたデュオが別名カマナワです。彼らの初のフルアルバムが完成、配信されたのでご紹介します。
カレイは、実はレゲエバンドにも在籍していた経歴があるものの、ここではブレインにぴったりと寄り添って、素敵なフラ・ミュージックを奏でています。1曲目フラの代表曲でもある「カ・レイ・エ」は、ブレインのテクニックがよーくわかるギターに、よく伸びるカレイのベースをバックに、声量たっぷりのカレイの美しい声がマッチして軽快にスタート。
続く「オリ・アロハ」は、ぐっとテンポを落として息のあったコーラスを披露。ゆったりとしたスティール・ギターを効果的に使う、4曲目の「スウィート・サムワン」は美しいラブソング。
僕が特に気に入ったのは後半の「レフア」です。ハワイ島に多いこの赤い花の美しさを二人は完璧なハーモニーで歌い上げます。ラストはイズラエルの代表曲「カレオハノ」で締めるあたり、マニアックなブレインの音楽センスを感じました。
国民的スターであったイズの曲をカヴァーしたものはあまり聴いたことがありません。それはイズが偉大すぎて恐れ多いというのもあるだろうし、どう歌ってもイズの領域には到達できないと諦めてしまうからでしょうね。版権のこともあるでしょう。しかしこのふたりは完璧なまでのコーラスで見事に歌い切っています。
このふたり、すごく個性があるというわけでもないんだけど、穏やかで高すぎず、低すぎもしない二人の声は、独特のゆらぎが感じられてリラックスできます。そうそうダンサーの皆さんには、ノリのいいアップテンポの曲も用意されていますよ。
ひとこと“ALOHA”コラム:
ここ数年の夏の暑さは異常です。日差しも昔とは違って直接体に差し込むようなとっても強い光線に感じます。ダンサーの皆さんは例えば公園の石の上で踊るなんてことも多いでしょうから大変ですよね。子供がフラをやっていたころは私たち父兄がどこかで水を汲んできて下に巻いたりして、火傷しないようにしたのを思い出します。今の僕はハワイアン音楽を紹介しているくせに夏がだんだん苦手になっているというのが正直なところかな。たぶんそういう人多いはずだけど、ハワイ好き、海好きを公言している手前言えない。わかります、その気持ちや立場も。