日本語歌詞
そこヘエイアにはサーフィンをする波があります
右に向かって波に乗り
今度は左に向かって波に乗る
波に乗ったのはこの私
あの岸に向かったのは
思っていたのに、きっと彼女を
この腕に抱けると
讃える歌を終えます
ハーラライカヌクマヌを
カラーカウアを讃えて
当初はエマ王妃に捧げられたメレだった
初回に続き今回紹介するのは、ハワイ王朝第7代目の君主、デヴィッド・カラーカウア王に捧げられた曲。とてもよく知られているメレで、とりわけウリーウリーを使ったノホ・スタイルで踊られることが多いようです。
現代でもサーフィンは人気ですが、もともとはハワイの王族の間ではやっていたといわれるスポーツ。ハワイ島のコナ地方では、山の斜面を利用してソリ遊びをした王族たちが、そのあと、ヘエイアでサーフィンを楽しんだといわれています。
当初このチャントはエマ王妃に捧げられたものでした。しかし1874年にカラーカウアが選挙でエマ王妃を破り国王になると、エマ王妃のために作られたメレは、このチャントを含めてカラーカウア王に捧げるものに変えられました。
こうした習慣は昔からあったようで、誰か(たいてい首長だが)のために作られたチャントも、その人物より上位の人が登場すれば、その人物のものとなる。この曲の場合もその習慣にあてはまりますが、なにも実際にカラーカウア王がエマ王妃からこのメレを奪ったというわけではなく、フラに関わる人々が、このメレは、これからはカラーカウア王を讃えるものにする、と決めたとのだといいます。
語句の解説
①ヘエイア(He’eia)というのは地名で、オアフ島東部にも同じ地名があるが、このメレに登場するヘエイアはハワイ島コナ地方にある場所。
②ハーラライカヌクマヌ(Hälala-i-ka-nuku-manu)とは「鳥のくちばしまでふくらむ」という意味で、カラーカウア王の生殖器の名前。通常、アリイの生殖器を讃えるメレというのは、生殖すなわち生命の繁栄を祈って作られるメレマイ(mele maÿi)となるが、この曲はメレマイではない。
(『素敵なフラスタイル』No.42転載/文責:Ayumi kekamaikamalukoa Hida)
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